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大手信託銀が「終活」関連商品を強化 グループ連携拡充

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大手信託銀が「終活」関連商品を強化 グループ連携拡充

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 大手信託銀行が遺言書の保管や執行を請け負う「遺言信託」など相続関連商品の販売を強化している。新商品の開発とともにグループ銀行との連携を拡充し、保有資産が多い高齢者層の契約を増やしたい考えだ。人生の最期を迎えるまでの「終活」に関心が高まっていることも背景に、主力関連商品の遺言信託の契約件数は年々伸びており、信託各行は一層の拡販で収益の底上げを狙っている。

 遺言信託は、信託銀行が遺言の作成を手助けして保管し、契約者が亡くなった場合に遺産の管理から処分までを行う商品。信託協会によると2012年度末の遺言信託の契約件数は7万5619件と10年前に比べて約2.5倍に増えた。高齢化の進行に加え、「遺産相続をめぐる手間や親族とのトラブルを避けたい」(大手信託銀行)というニーズの高まりが背景にある。

 各行が強化しているのが、グループ内の連携だ。遺言信託でシェアトップの三菱UFJ信託銀行は、3月末時点の契約数が1年前と比べて4%増の約2万6800件。「新規契約の約6割が三菱東京UFJ銀行からの紹介」(担当者)といい、グループの顧客基盤を生かして販売増につなげている。

 みずほ信託銀行も新規契約の9割が、みずほ銀行からの紹介という。12年度の遺言信託の新規契約は約1750件と過去最高を記録。上積みを目指して遺言関連の代理店業務を今月4日から、グループのみずほ証券の全118支店・営業所に拡大した。

 新商品の開発も活発になっている。遺言信託では契約者の死亡時点から遺族が財産を相続するまで、通常は手続きなどで半年程度かかる。このため各行は、契約者が金銭を信託することで、遺族が当面の葬儀費用などをすぐに受け取れる資産承継信託の商品を相次いで投入。4月に発売した三井住友信託銀行は「半期の販売目標を7月前半までに達成した」(商品企画チーム)という。

 信託業を行える免許を持つりそな銀行は12年6月に同様の商品を発売し、思い出や遺族宛のメッセージを書き残す「エンディングノート」を無料で預かる業界初のサービスも手掛けている。2月には、りそなが契約者が亡くなった後も資金を管理し、未成年の孫や障害のある遺族などが遺産を受け取れる資産承継信託商品を発売した。

 相続関連商品の契約を高齢の顧客が検討する際には、保有する資産内容のチェックが伴うことから、信託各行は新たな商品を紹介できるチャンスになるともみて注力している。

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