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情報通信
基地局倒壊してもスマホでメール可能 超小型無人飛行機を開発
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NICTが開発したシステム
巨大地震などで通信インフラが途絶えた場合、地上の移動式通信装置と連動してスマートフォン(高機能携帯電話)のメール機能などを復活させる超小型無人飛行機を、総務省所管の研究機関「情報通信研究機構」(NICT)が開発したことが10日、分かった。
実証実験にも成功し、数年後の実用化を目指す。南海トラフ巨大地震などで安否確認などの通信サービスが不通になる事態が懸念される中、被災地の通信手段を確保するシステムとして期待される。
開発したのは、NICTワイヤレスネットワーク研究所(神奈川県)の三浦龍室長ら。超小型無人飛行機(全長約1・4メートル、重さ約5・9キロ)は発泡材と樹脂製で、搭載されたリチウムイオン電池を使って時速約70キロでプログラム通りに自動飛行。
機体から15キロメートル以内の地上に、NICTが開発した箱形で持ち運び可能な小型通信装置を置くだけで、携帯電話の基地局が稼働しない地域でも携帯会社を問わずスマホのメール機能などが使用できる。
超小型無人飛行機は、あらかじめ設定した飛行空域を最大約2時間にわたり自動的に周回する。複数機を飛ばすことで、電波の届く通信復旧エリアを拡大できる。6月に北海道で複数機を同時に飛ばす実証実験を行い、システムが正常に機能することを確認した。
通常、鉄塔などに設置されるスマホや携帯電話の基地局は、携帯会社の局舎などから有線ケーブル経由で受信した電波を、利用者に届ける仕組み。
だが、災害で基地局そのものが稼働しなくなると通信機能が使えなくなり、復旧に2~3週間かかる場合もある。実際、平成23年の東日本大震災でも基地局の倒壊などでスマホや携帯電話の通話やメールが圏外となり、安否確認ができなくなったケースが相次いだ。
最近ではソフトバンクモバイルが通信装置を装着した気球を飛ばす実証実験を実施するなど、携帯会社ごとに災害対策に乗り出しているが、今回は携帯各社のスマホに対応する仕組みとして実用化を目指す。