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「ナショナル劇場」消える寂しさ リストラ加速させるパナソニック
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パナソニックが、TBS系番組枠の1社提供を見直し、10月から複数社の提供にする。長く「ナショナル劇場」として親しまれてきたパナ単独枠の終了とあって、往年のファンからは惜しむ声が相次ぐ。
ただ、経営合理化の一環として宣伝広告費を削っているにもかかわらず、スペインの強豪サッカークラブ「FCバルセロナ」とパートナー契約を結ぶなど“アンバランスさ”も見え隠れする。関係者からは疑問の声も上がっている。
「日本の伝統といっても過言ではない番組提供枠が、変わってしまうとは…」
パナ単独枠の番組といえば、時代劇の「水戸黄門」が記憶に新しい。パナの方針が報道された7月28日、インターネットの掲示板には、水戸黄門ファンらの“嘆き節”が次々と書き込まれた。
単独枠は昭和31年4月に「ナショナルゴールデン・アワー」としてスタートし、その後「ナショナル劇場」として知名度を上げた。
創業者である松下幸之助の「世のため人のため、老若男女問わない番組を」との意をくんで、平成23年末まで42年間は水戸黄門を中心に放映され、「明るいナショナル」のテーマ曲とともに、視聴者に親しまれた。
今年4月からは「月曜ミステリーシアター」と社名やブランド名を外して提供していた。
パナは1社提供をやめる理由について、「視聴者のライフスタイルや好みが変化する中、事業構造や主力商品が変わっている事情を総合的に勘案した」と説明するが、「経費削減の一環」(証券アナリスト)との見方が強い。
実際、パナが経営不振の中、単独枠を疑問視する声は社内外で多かった。
関西のあるメーカー幹部は、大ヒット中の同じTBS系連続ドラマ「半沢直樹」を例にあげ、「高い視聴率を毎週たたき出す番組であれば、単独枠でもコストパフォーマンスは高く、パナも思いとどまったかもしれない」と指摘する。
テレビ番組の単独枠の終了は、特に珍しくはない。フジテレビ系の人気アニメ「サザエさん」は、東芝が平成10年までの約30年間、1社提供していたが、その後は複数社の提供に変更している。
同社は「広告戦略の一環」(広報)としか説明していないが、バブル崩壊後に企業体力を失ったのが一因のようだ。
パナソニックは、テレビ番組の単独枠だけでなく、「本業外」の“リストラ”を加速している。
同社は昨年、子会社の三洋電機から引き継いだ女子バドミントン部を休部。「オグシオ」の愛称で知られ、北京五輪で入賞した小椋久美子(引退)、潮田玲子(現日本ユニシス)両選手も所属した名門だった。
今年1月には、男子プロゴルフの石川遼選手との契約も終了した。
関係者は「パナソニックの“象徴”が次々と失われてゆく」と嘆く。
その一方、パナは「FCバルセロナ」とパートナーシップ契約を結んだ。
契約金額は非公表。メッシやネイマールなどビッグスターを抱えているとはいえ、国内外でどれほどのコストパフォーマンスがあるのかは不明だ。
パナソニック幹部は「(市場縮小気味の)国内の契約は削り、(成長余地の大きい)海外は強化する」と訴えるが、ある証券アナリストは「削減一本かと思いきや…」と、アンバランスな経営戦略に首をかしげる。
業績改善に向けて改革を進める中、パナソニックの宣伝広告費の“取捨選択”基準は曖昧にも見える。投資家への分かりやすい説明が求められそうだ。