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【採用担当者のホンネ】味の素人事部グローバル人事グループ主任・真田圭介さん

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【採用担当者のホンネ】味の素人事部グローバル人事グループ主任・真田圭介さん

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 ■信頼関係築いてやり遂げる人

 1909年の創業から8年後の1917年に米ニューヨーク事務所を開設した味の素。今では130を超える国と地域で商品を販売するグローバル企業としてボーダーレスで事業展開している。

 1世紀にわたる挑戦で培った前向きな社風は「味の素グループWay」で表現される。それは(1)新しい価値の創造(2)開拓者精神(3)社会への貢献(4)人を大切にする-であり、社員共通の価値観として流れる。

 このため「採用にあたり『味の素グループWay』に共感することが前提となる」と人事部グローバル人事グループの真田圭介主任は強調する。その上で絶対条件の判断材料として「自分で考え、周囲を巻き込みながら信頼関係を築いてやり遂げる人」と言い切る。

 面接では学生時代のエピソード、つまり「主体的に何をやったかを掘り下げて聞く」。しかもエントリーシートに書かれていないことを問う。「回答を準備していないから学生の真価が出る。論理的に整理して答えられるかをみる」と真田主任。

 しかもグループ面接は行わない。最初から学生1人ずつ丁寧に対応する。2次面接からは1日2回、休憩をはさんで合計70~90分にわたり徹底的に向かいあう。面接官も代わる。「1人の面接官に伝えられることは限られているし、いろいろな質問に応じたい」からで、学生の意志と情熱を複数の面接官で共有しながら評価する。

 ボーダーレスは採用活動でも顕著だ。味の素は事務系、技術系それぞれに全国型/総合コースと地域型/選任コースに分かれて採用する。内々定を得た来春入社組をみると、技術系総合型は26人中12人が女性だが「意識したわけではない。男女の隔たりはない」と真田主任は強調する。女性だけでなく、障害者も健常者と同じ土俵で面接を受ける。事務系地域型で1人の障害者が内々定を得たという。

 味の素グループWayに共感し絶対条件を突破して入社すると、その能力を最大限に発揮するための新人研修に加え、1年目と3年目研修を用意。ここではポジティブシンキングのスタンスを伝える。

 「仕事はやりたいことばかりではない。どんな仕事でも前向きにとらえてやり抜いてほしいから。豊臣秀吉は下足番を一生懸命やったから下足番で終わらなかった」と真田主任。こうして「道を、拓け。」と発破をかけ開拓者を育てる。(松岡健夫)

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