SankeiBiz for mobile

ゲーム専用機、新型投入でスマホに“逆襲”

ニュースカテゴリ:企業のメーカー

ゲーム専用機、新型投入でスマホに“逆襲”

更新

国内で初公開されたソニー「プレイステーション4」の展示に多くの人たちが集まった=19日、千葉市美浜区の幕張メッセ  世界最大規模の家庭用ゲームの見本市「東京ゲームショウ(TGS)2013」が19日、千葉市の幕張メッセで開幕した。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が「プレイステーション(PS)4」、米マイクロソフト(MS)が「Xbox One(エックスボックス・ワン)」を国内で初めて一般展示。スマートフォン(高機能携帯電話)に押されていたゲーム専用機メーカーが、次世代機の投入で巻き返しを図る。

 SCEはこの日、全世界で2013年度中にPS4を500万台販売する計画を明らかにした。同社のアンドリュー・ハウス社長が基調講演で発表した。

 PS4について、ハウス社長は「熱心な利用者の期待に応えるだけにとどまらず、家族と仲間と一緒に遊ぶ楽しさを届ける」と強調。ゲームだけでなく、映画や音楽も楽しめる「総合エンターテインメント機器」として、新しい客層を取り込んでいく考えを示した。

 PS4はPS3の後継機で、約7年ぶりの刷新。コントローラーに交流機能専用の「シェアボタン」を搭載し、自分のプレーを友人に配信することなどができる。スマホとの連携機能も強化した。国内では14年2月22日に4万1979円で発売する。

 TGSの会場には、PS4向け新作ゲーム「ディープダウン」(カプコン)やエックスボックス・ワン向けの「フォルツァ モータースポーツ5」(MS)の試遊スペースが設けられ、初日から多くのファンでにぎわった。

 ただ、ゲーム市場は今後も、基本的に無料で遊べるゲームが多いスマホ向けが牽引(けんいん)しそうだ。ソーシャルゲーム大手のグリーによると、スマホにダウンロードして遊ぶ「アプリゲーム」の世界市場規模は12年の50億ドル(約4910億円)から、16年には290億ドルに拡大する見通し。従来型携帯電話で成長してきたグリーは昨年、スマホ専業のポケラボを傘下に収めるなど、スマホ対応を加速している。

 バンダイナムコゲームスは無料で遊べるオンラインゲームを現在の2本から、年内にも4本に倍増させる。幅広い利用者を取り込んで、アイテム課金で稼ぎ、アプリゲームに対抗する。

 これらに対し、スマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」がヒットしたガンホー・オンライン・エンターテイメントはパズドラの水平展開を進める。TGSでは、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けに12月に発売する「パズドラZ」の試遊機72台を用意。森下一喜社長は「試遊でスマホとの違いを感じてほしい」と話し、アニメーションの表現力などを、小学生やDS利用者にアピールする。(米沢文)

ランキング