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「半沢直樹」「あまちゃん」ドラマ人気再燃の裏で…熱狂も批判も加速させたSNS

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「半沢直樹」「あまちゃん」ドラマ人気再燃の裏で…熱狂も批判も加速させたSNS

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 【ネットろんだん】

 先週クライマックスを迎えたTBS系ドラマ「半沢直樹」とNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が、ネットでも話題の的になっている。両作のヒットには、ブームを拡散・加速させるネットの特性が効果的に現れた。「テレビ離れ」の象徴ともされたネットをテレビの話題が席巻したことは、両者の関係を見つめ直すきっかけにもなっているようだ。

 「半沢直樹」の最終回が放送された22日夜。ツイッターに投稿された1枚の写真が注目され、すぐさま拡散、ネット上をにぎわした。映っていたのは、香川照之さん演じる「大和田常務」の顔、顔、顔…。

 場所は、ある温泉施設の休憩所。数十台のリクライニングシートと一体化したテレビの大半が「半沢直樹」の一場面。大和田常務は、堺雅人さん演じる半沢の仇敵(きゅうてき)だ。ツイッターでは「この銭湯では視聴率90%超えてるな」などと話題になり、半沢ブームへの驚きが改めて広がった。

 翌23日には、ビデオリサーチがまだ調査結果を発表していないのに「視聴率54.4%」というデマまでまことしやかに流れた(実際には関東地区42.2%、関西地区45.5%)。

 面白さの「増幅装置」

 「あまちゃん」も、有志のファンが自作イラストを公開したり、音楽や物語の伏線を分析したりと、ネットでの盛り上がりが人気を牽引(けんいん)してきた。最近は、完結によって楽しみが失われることを懸念し「あまちゃんロス症候群」という言葉まで飛び交う。NHKの石田研一放送総局長は18日の会見で「視聴率より、ネットでの支持の広がりが番組を大きくした」とヒットの理由を分析した。

 この2作品に限らず、そもそもネットの草創期からドラマは話題の中心にあった。パソコン通信時代のニフティサーブでは、ドラマを語り合う会議室に人気が集まり、匿名掲示板で放送と同時に感想を書き込み合う行為は「実況」と呼ばれて定着。ツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で、ネットでドラマを語りあうことはより身近になっている。

 同時に、「テレビはつまらない」といった批判が個人の感想レベルにとどまらず、可視化され共有されてきたことも事実だ。ただ、「半沢直樹」が記録的な視聴率を出したことで「みんな何だかんだでテレビ見てるんだな」「ネットはテレビの敵ではなく(面白さの)『増幅装置』」(ツイッター)などと、それぞれの特性を見つめ直す声も出ている。

 失望も「倍返し」?

 早稲田大文学学術院の岡室美奈子教授(55)=テレビ文化論=は「SNSで気の利いた考察が拡散されたり、発信力のある人が作品を勧めたりすることが多くなり、ネットの『ドラマ批評』は充実してきた。ネットを通じて視聴者の目は肥えてきたと言える」と指摘する。

 その肥えた目は、時に批判のエスカレートも招く。特に漫画や小説など人気作の映像化では、配役への目が厳しくなり、「これは事務所のごり押しではないか」という業界人まがいの臆測も出回る。好評も失望もネットでは「増幅」されるのだ。

 岡室教授は「放送回ごとに感想を共有できる連続ドラマは、テレビならではの魅力がある」と話す。ネットを通じて作品が「じぇじぇじぇ」なブームを呼ぶか、視聴者から「倍返し」されるか-。作り手がネットに期待と恐れを抱く時代であるのは間違いないようだ。(三)

【用語解説】「半沢直樹」と「あまちゃん」

 TBS系「半沢直樹」最終回(22日)の視聴率は、民放ドラマでは関東地区で歴代4位にして今世紀最高、関西では歴代トップ(いずれも昭和52年以降、ビデオリサーチ調べ)。NHKの「あまちゃん」は28日で放送が終了。両作品とも劇中のせりふが流行語になり、関連商品が記録的な売り上げをみせるなど社会現象化している。

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