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動き出したNTT電力制御実験 国際標準に照準、地球環境保全へ

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動き出したNTT電力制御実験 国際標準に照準、地球環境保全へ

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電力会社から送信された電力使用量抑制の要請が家庭のタブレット型端末に表示され、あらかじめ設定された家電の電力使用レベルを制御する=東京都武蔵野市のNTTネットワーク基盤技術研究所  国内の原発がすべて休止するなど電力供給環境の不透明さが増す中、電力会社などからの要請に応じて、利用者が電力使用量を抑制する「デマンドレスポンス(需要応答)」が本格的に動き出した。NTTはいち早く国際標準規格の認証を取得し、早稲田大学、経済産業省などと「自動デマンドレスポンス(ADR)」の大規模な実証実験に参画。実用化されると消費電力を抑えることができ、地球環境保全につながる。

 デマンドレスポンスは、真夏や寒冷地の冬など電力使用量が急増する時期や、災害などで複数の発電所が同時に運転を停止するなど電力不足が想定される場合に要請される。個々の需要家の電力使用量を時間帯別に計測する必要があるため、スマートメーターの導入が前提になる。電力の抑制に協力した需要家に対しては、電気料金の割引などインセンティブを提供するのが一般的だ。

 従来は電力会社やアグリゲーターと呼ばれる電力需給調整事業者が需要家である企業や一般家庭にメールなどで要請。需要家は手作業で設備や電気製品の電力消費を抑制する方式だった。

 しかし最近は、電力会社やアグリゲーターのシステムと需要家側のBEMS(ビルエネルギー管理システム)やHEMS(住宅エネルギー管理システム)が連携、自動的にデマンドレスポンスを実行する試みも始動。システムを連携するためのメッセージの送受信や機器を制御するための標準規格も策定されている。

 NTTは7月、日本企業で初めて国際標準規格「オープンADR2.0a」の認証を取得した。NTTコミュニケーションズのクラウドサービス基盤と連携した「スマートコミュニティ・プラットフォーム」を構成。早大や産業界などと連携して8月に本格スタートした実証実験に取り組んでいる。

 NTTネットワーク基盤技術研究所(東京都武蔵野市)の田路(とうじ)龍太郎主幹研究員は「デマンドレスポンスで通知を受け取っても、手作業で家電の電力抑制をコントロールするのは面倒だし、最適な設定がわかりにくい」と問題点を指摘。消費者の利便性と広域の電力需給最適化にADRは欠かせないと説明する。

 ADRは、電力会社などからのメッセージによって利用者側の空調機器や照明機器を自動制御。手動に比べ対応時間が短くなり、あらかじめ設定した手順やレベルによって機器の電力使用を適切に制御できるようになる。

 早大構内の「新宿EMS実証センター」で始まった実証実験には、東京、中部、関西の3電力会社、ガス、電機、通信、自動車、住宅メーカーなど25社が参加。NTTのオープンADR規格によって電力会社と需要家を結ぶクラウド環境で各種機器の相互接続性などを確認している。

 実証実験では10月以降、神奈川県や愛知県など全国4地域で進められているスマートシティの実証実験とも組み合わせる計画だ。各地域のCEMS(地域エネルギー管理システム)にADRの信号を送信して、広域の実用性や省エネ性も検証したい考えだ。

 NTTグループは、実証実験の成果を通じて、電力会社やアグリゲーター向けのクラウドサービス基盤の提供、ビル向けのBEMSサービス、家庭向けのHEMSサービスなど通信事業と連携したビジネスの育成にも取り組んでいく方針だ。(芳賀由明)

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