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【クルマ人】トヨタブランド最高峰にかけた思い 最新技術を投じた「クラウン マジェスタ」

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【クルマ人】トヨタブランド最高峰にかけた思い 最新技術を投じた「クラウン マジェスタ」

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ハイブリッド専用モデルとなった新型クラウンマジェスタ  トヨタ自動車が今月発売した高級セダン「クラウン マジェスタ」は、6代目にしてハイブリッド車(HV)専用車に生まれ変わり、クラウンの象徴である「王冠」マークも復活した。新型クラウンシリーズの開発責任者を務めた製品企画本部の山本卓エグゼクティブチーフエンジニアに「トヨタブランドの最高峰」にかけた思いを聞いた。

 --「クラウン マジェスタ」の車体前面にかつての王冠マークを復活させた

 「トヨタブランドのトップという位置づけを明確にするため、平成16年発売の4代目マジェスタから王冠を取り、トヨタマークに変えた。ただ近年はその点が不明確になってきたので、クラウンシリーズのトップで最高峰という意味合いを改めて示した」

 --HV専用にした理由は

 「前モデルはV8エンジンで、静粛性やパワーのある走りが持ち味だったが、燃費は悪かった。高級車でも燃費が良くないといけないと、企画の最初の段階からHVにすると決めていた。ハイブリッドシステムを採用したことでガソリン1リットル当たりの燃費は18・2キロと、前モデルより2倍以上も改善できた」

 --安全性能も進化した

 「『クラウン ロイヤル』『クラウン アスリート』から新たに2つの機能が加わった。まず、隣の車線を走る車両が死角エリアに入ったときにドアミラーにインジケーターを点滅させる『ブラインドスポットモニター』。あとディスプレーに各タイヤの空気圧を表示する機能を標準装備とした」

 --マジェスタの代名詞である静粛性も両立させた

 「静粛性は、最初から課せられた使命。エンジンルームと運転席の間にあるダッシュパネルにサイレンサーを付け、エンジンルームから入ってくる音を遮断した。それだけでなく、後部座席のドアガラスやリアウインドーの板厚を増し、外から来る音も遮断する。(室内の静粛性で定評のある)『クラウン ロイヤル』を上回る静かさを実現した」

 --競合車は

 「価格面で考えればメルセデス・ベンツのCクラスとかBMWの3シリーズだが、車格ではベンツのEクラスやBMWの5シリーズ(が競合)になるだろう。ただ、輸入車を購入する人はブランドにほれ込んで買うので、その人たちがトヨタ車を見てくれるかは難しいところがある。輸入車を買おうと思っている人たちに目を向けてもらえる存在にはなりたい」

 --クラウンは法人需要が占める割合が高い

 「ロイヤルのHVが6割くらいだが、マジェスタはそれを上回る約8割に達する。そうした事情もあり、新型クラウンでは据え付けの灰皿をなくしたが、マジェスタだけは後部座席に灰皿を付けた」

 --乗ってもらいたい人のイメージは

 「安倍晋三首相。HV専用車にもなったので、トヨタのトップであるマジェスタに、ぜひ乗っていただきたい」

 --トヨタにとってクラウンの存在とは

 「クラウンはトヨタにとって初めての量販乗用車で、トヨタの先頭に立って走り続けている車。最新技術をまずクラウンに投入してほかの車種に広げていくという使命がある」

 --クラウンシリーズの販売好調を日本経済の復調に重ねる見方もある

 「いい流れに乗っていると思う。この延長線上で年末にピンクのクラウンを売り出すので、それが街を走ることで日本全体が明るくなるといい」

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