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【トップは語る】大正製薬ホールディングス社長・上原明さん(72)
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■一般用医薬品の普及で医療費削減、病気予防
--軽度の疾病などを一般用医薬品(OTC)の服用で自ら治すセルフメディケーションを推奨している
「高齢化で国内の医療費が増大する中、セルフメディケーションによる予防は医療費削減や医者の負担軽減などにもつながる。特に約36兆円の国民医療費(2009年度時点)のうち18%を占める生活習慣病は、OTC服用などで大幅に減らせるとみている」
--主力製品のOTCは需要が縮小している
「医薬品販売規制の緩和、サプリメントや特定保健用食品の普及などでOTC市場はこの10年間で約1割縮小している。ただし、セルフメディケーションを推奨しているのは我田引水ではない。病気予防や健康促進、医療費削減、医師の負担軽減に貢献する。国民にとって大きなメリットを享受できるという観点からだ」
--セルフメディケーションの普及に向けた課題は
「1000円以上の全てのOTCは、医療費控除の対象にすべきだ。ただ、控除の対象領域にサプリメントなども含むのかという線引きの問題もある。また、生活習慣病は早期発見が重要となるが、40代以上の約6割が健康診断などを受診していない。医療機関だけでなく、薬局などでも簡便な血液検査などができる仕組み作りも欠かせない」
--薬局や薬剤師の役割も重要になる
「薬剤師は調剤業務だけでなく、患者の相談やアドバイスにも対応しなくてはいけない。薬局はコンサルティング機能が求められる。薬学部を持つ大学の教育改革も必要だろう。セルフメディケーションをより充実させるためには、省庁や教育機関、医師会、薬剤師会などが連携し、構造改革に動かなければならない。医師、薬剤師、栄養士、薬局などが一体となった『チーム医療』の確立も重要だ」
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【プロフィル】上原明
うえはら・あきら 慶大経卒。日本電気(現NEC)を経て1977年大正製薬入社。専務、副社長を経て82年社長。2009年から会長兼任。11年から大正製薬ホールディングス会長兼社長。13年6月から現職。東京都出身。