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【達人に聞く】BMW車販売のトップ営業マン・飯尾昭夫さん(3)
更新
■良いことも悪いことも自分のせい
--接客などで特に注意を払ってきたことは
「私は以前、あるお客さまを外見で判断し、勝手にプライオリティー(優先順位)を付けた接客をして、大変失礼なことをしました。来店していただいたのに、無駄な時間を使わせてしまった経験から、全てのお客さまに序列を付けずに接することを心掛けています。また、取引業者などお店に関わる全ての方に最高の接客をするようにしています。BMWの店舗はショールームも兼ねているので、店舗にいる全ての方への対応がお客さまに見えますから、どなたも『最高のお客さま』と考えるようにしています」
--来店客への対応はとても大切だということですね
「BMW高輪支店の支店長時代に、来店されたお客さまを簡単に帰してしまう営業マンがいました。後で聞いてみると『カタログをもらいに寄っただけだと言われるので…』というのです。私は『貴重な時間を割いて来てくださっているお客さまにきちんと接客すれば、椅子に腰かけてお話もできたはずだ』と叱責したことがありました。ちょっと話しかけて、応接テーブルでご相談をさせていただこうとすれば、必ずお客さまは座っていただけます。この営業マンは来店いただくことの重みを認識できていないわけです」
--貴重な機会を失った
「もう一つ言えるのは、お客さまが帰ったのはお客さま自身の問題で、自分の問題ではないという意識の低さです。帰られたのが自分のせいだと思わない営業マンは進歩しません。良いことも悪いことも全て営業マン自身のせいであるということを自覚してほしいですね」(ライター 金田雄一)
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(編集協力)近代セールス(www.kindai-sales.co.jp)
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【プロフィル】飯尾昭夫
いいお・あきお 青学大経営卒。丸紅モータース、日英自動車を経て、1984年BMWジャパン入社。BMW車の販売で日本一の営業マンとなり、累計販売台数は2400台以上。現在は自動車販売コンサルティング会社の飯尾カンパニー代表取締役。