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安心・安全…繊細サービス 外国人を魅了する「お・も・て・な・し」
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【クールジャパン 目覚めよ日本力】
日本独自の文化やサービスが「クール・ジャパン」(かっこいい日本)と呼ばれ、世界で脚光を浴びている。外国人を魅了するクール・ジャパンは文字通り「日本力」そのもの。ブームを一過性のものに終わらせることなく、世界に浸透させることは日本の成長に欠かせない。政府も海外展開の本格支援に乗り出した。
2020年東京五輪招致で一躍有名になった「おもてなし」の心。観光立国を目指す日本にとって大きな強みだ。「お客さまの居心地をよくしたい」。そんな利用者の目線に立った日本流のサービスが外国人の心をつかんでいる。(藤沢志穂子)
「駅から乗ったタクシーで、旅館の名前がうまく伝わらなくて違う場所に行ってしまい、気がついて戻ってくれた。でも、その間の料金は受け取らなかった。米国ではありえないことで街の人も旅館のスタッフもとても親切」。米カンサス州から友人を訪ねて、初めて来日した退役軍人のリチャード・センフテンさん(68)と妻のペニーさん(60)は話す。
2人が泊まったのは静岡県熱海市の「界 熱海」。星野リゾート(長野県軽井沢町)が全国9カ所で展開する温泉旅館「界」の一つで、約160年の歴史を持つ老舗旅館を改装、昨年9月にオープンした。外国人向けに地元に伝わる熱海芸妓(げいぎ)の舞を紹介したり浴衣の着方を教えるほか食事は洋食も対応。英語サイトでの情報発信や海外旅行業者との連携が実を結び、宿泊客の1割を外国人が占めている。
星野リゾートは東京・大手町で高級温泉旅館「星のや」を開業する計画もあり、外国人の感性にも合う日本の居心地の良さを演出する。星野佳路(よしはる)社長は「伝えたいのは日本のおもてなしの心。日本は安心安全という観光立国としての条件を満たしているのに、生かし切れていない」と、日本の観光にはまだ延びる余地があると強調する。
一方、世界でほぼ共通のサービスが提供されるホテルでは、日本ならではの繊細な心配りが武器になる。
帝国ホテル東京(東京都千代田区)は昨年10月、国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会の主要会場の一つとなり、参加者から高い評価を得た。最も評価されたのが、分刻みの過密スケジュールが時間通り滞りなく進行したこと。「時間に正確」という日本では当たり前のことが海外からの参加者には日本流のおもてなしに映った。帝国ホテルの定保(さだやす)英弥社長は「東京は安全安心でインフラも整備されていて、シャトルバスも時間通りに来る。『こんなにスムーズに進んだ会議はなかった』とお褒めいただいた」と話す。
ホテル特製のサンドイッチも喜ばれた。分刻みのスケジュールで動く参加者たちに「仕事の合間に素早く食べられる」と好評で、期間中は通常の10倍のパンをホテル内の厨房(ちゅうぼう)で焼いたという。
「手厚いサービスや料理に大変感謝している」(IMFのラガルド専務理事)、「ホテルの中のホテル」(世銀のキム総裁)。2人の主催者はそれぞれ手放しの喜びと感謝をホテルに伝えている。