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【挑む】キャブ・苦田高志社長 ホテルのサイト制作 「現地主義」を徹底
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訪日外国人観光客の年間1000万人突破や2020年東京五輪の開催が決定するなど、ホテル市場を取り巻く環境は確実に上向きつつある。キャブは、宿泊客を獲得する上で重要な役割を果たす、ホテルのウェブサイトを制作する会社。苦田高志社長は「業績は順調に右肩上がりで推移しており、今期の売り上げは初の1億円台に乗る見通し。これから数年が勝負」と語る。
--今やホテルにとって、ウェブサイトは不可欠な存在だ
「宿泊客が予約する際には、ネットを回遊して口コミ評価や価格、サービスの情報を必ずチェックしており、いかに自社サイトで顧客を得られるかが鍵となる。ホテルの魅力をアピールし集客力を高めるには、サイトの維持更新を随時進めていくことが有効。当社では、レストランの従業員からドアマンに至るまで、各人の思いを伝えることに力を入れている。ただ、観光協会におんぶに抱っこのホテルは、サイトの重要性をなかなか理解できていない」
--サービスの特徴は
「他社はインターネットを通じて請け負うケースが一般的だが、当社は必ず現地に乗り込むことをモットーにしている。スタッフの話を聞き、街を歩き、観光協会を訪れることで、この街が何を売り出したいのかヒアリングしてからプレゼンテーションを行う。一連の作業に要する期間は1カ月半。いつも10社程度が競合するが、そこまで踏み込んでいるのは当社だけだ。現在は北海道から沖縄に至る60カ所のホテルで、サイト運営に携わっている」
--こうしたノウハウはどうやって培ったのか
「大学時代、数学者として著名な秋山仁教授の付き人として助手を担当したことがある。秋山先生は講演、学園祭での依頼があれば、日程やギャラは決まっているのに必ず乗り込んで校長や数学の先生と話していた。そこで、現地に足を運ぶことの重要性を学んだ。足で稼いだ仕事は腐らない。ホテルに足を運び現地を愛さなければ、反響が大きいサイトは制作できない」
--今後の重点課題は
「東京五輪を見据えた訪日外国人対策だ。多言語対応に力を入れるだけではなく、富士山や京都、奈良といった著名ブランドをうまく活用していきたい。また、『レストランはこうですよ』といった一方通行のものではなく、『おもてなし』の精神を強調したサイトも制作する。第1弾は沖縄のホテル。例えば気候に関する情報の場合、単に天気や気温を数値で知らせるのではなく、『上着の脱着で調節するとちょうどよい気候です』といったように現場の人が書き込むスタイルとする。こうした手法は海外でも通用するはず。新たな成長戦略の原動力としたい」(伊藤俊祐)
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【プロフィル】苦田高志
にがた・たかし 東京理科大理卒。広告代理店、インターネットコンテンツのベンチャー設立を経て、2003年8月にキャブを設立。43歳。東京都出身。
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【会社概要】キャブ
▽本社=東京都千代田区麹町4-3-3 新麹町ビル
▽設立=2003年8月
▽資本金=1000万円
▽社員数=9人
▽事業内容=官公庁のホームページガイドライン作成からシステム開発、ホテル・旅館のウェブコンサルティング、ホームページ制作・更新など総合ウェブコンサルティング