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ソニーとパナソニック、有機ELテレビ提携解消 4Kに経営資源集中
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4K対応のソニー製有機ELテレビ ソニーとパナソニックが、次世代テレビとして期待されている有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビ事業での提携を今年末で解消することが25日、分かった。年内を目指してきた量産化技術の確立にめどをつけることができず、早期の事業化は難しいと判断した。両社は当面、需要が拡大しつつあるフルハイビジョンの約4倍の解像度を示す「4K」に対応した液晶テレビに経営資源を集中し、不振のテレビ事業の収益改善を急ぐ考えだ。
有機ELは電圧をかけると自ら発光する有機物でできた素材で、「ポスト液晶」として有望視されている。テレビに応用すれば、夜景などの暗い映像も美しく映し出すことができる上、パネルの背面に光源を置く液晶テレビよりも薄く、消費電力も抑えられる技術として注目されている。
有機ELテレビの開発をめぐっては、韓国サムスン電子やLG電子が今春、世界に先駆けて民生用を発売。ただ、当初の価格が1台100万円以上と高いことから販売は振るわない。
これに対し、ソニーは金属や酸化物を蒸発させ、基板の表面に付着させる「蒸着」方式で、パナソニックは印刷技術を応用し、パネルに有機材料を塗布する「印刷」方式と呼ばれる技術に強みがある。
両社は2012年6月、得意の技術を持ち寄って有機ELパネルを共同開発することで合意。今年1月には、米ラスベガスで開かれた世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に合わせ、4Kに対応した大型有機ELテレビの試作機を公開した。13年内に量産技術を確立して韓国勢を追い上げる計画だった。
ところが、パネルの耐久性など品質が十分に確保できず、生産コストも思うように下げることができなかった。液晶技術が一段と進み、有機ELの技術開発に投資するメリットが薄れていた。市場の先行きが不透明になっていることも提携解消の一因とみられる。
両社は、今年末の期限をもっていったん契約を白紙に戻し、それぞれ独自に技術開発を進めることを決めた。共同生産の構想も見送る。ただ、今後も必要に応じて共同開発や協業を行う可能性はあるという。