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【午年に翔ける】富士通社長・山本正已さん(59)
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--ネット上などに蓄積された膨大な情報「ビッグデータ」の活用で、成長が期待できる分野は
「医療分野に期待している。近年医療の世界では『健康寿命』がテーマになっていて、健康で長生きするための予防医療が脚光を浴びている。個人にあった予防や治療が大切になる。当社は社長直轄の組織『未来医療開発センター』を設置して、得意とする電子カルテのデータと連携し、最先端の医療に結びつけることなどを研究する」
--センターの中身は
「20人体制でスタートし、将来は200人まで増やす方針だ。5年間で300億円を投資し、2018年度に700億円から1000億円の売上高を目指す。現在約1000億円のヘルスケア関連の売上高を倍増させたい」
--企業のビッグデータ活用の現状は
「全体的にいえば試行錯誤の段階だが、先行する企業は手応えを感じて、意欲的に使い始めている。例えば、食品メーカーや外食産業は需要に対しつつ、廃棄に回す分をできるだけ少なくするために、販売データに天候やネットの書き込みなども加味してデータを解析し、需要予測の精度を高めている」
--NECやパナソニックなど、スマートフォン(高機能携帯電話)事業から撤退・縮小する動きがある
「(来年度以降も携帯電話事業を続けるという)方針はまったく変わっていない。月産30万台で黒字が確保できる態勢にてこ入れする。確かに、今は米アップルや韓国サムスン電子が勝者になっているが、過去の歴史を振り返ってみても、携帯電話をめぐる企業のパワーバランスは常に変わっていくものだ。競争に身を置き、技術を磨いていく」
--中国勢の台頭など競争環境が厳しくなる中、スマホを継続するメリットは
「お客さまにサービスを提供するビジネスを強化している。スマホは人間とコンピューターのやり取りを媒介する入力装置で、これを押さえないとサービスは完結しない」
--富士通のスマホの強みをどこに置くのか
「電池の長寿命やデザインなどが端末の強みだが、重要なのはそこではない。スマホの次に何が来るかは今ははっきり言えないが、3~5年後の技術革新競争で勝ち残り、主導権を獲得したい」(小島清利)
やまもと・まさみ 九州大工卒。1976年富士通。経営執行役常務、執行役員副社長などを経て2010年6月から現職。山口県出身。