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市民直撃の軽自動車増税は“汚点” 鈴木修スズキ会長兼社長

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市民直撃の軽自動車増税は“汚点” 鈴木修スズキ会長兼社長

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スズキの鈴木修会長兼社長=静岡県浜松市のスズキ本社(大坪玲央撮影)  反対してきた軽自動車への増税が決まったうえ、4月からは消費税率が引き上げられる。スズキの会長兼社長にとどまらず、自動車業界のご意見番でもある鈴木修氏(83)に話を聞いた。

 --昨年を振り返ると

 「経営者を長くやっていると1年が非常に短く感じる。やり残した仕事がいっぱい残った。スズキの売上高もリーマン・ショック前の3兆5千億円になかなか回復しない。苦しい1年だった」

 --軽自動車への増税も決まった

 「自動車全体は取得税など減税になるのに、軽自動車とバイクだけが値上げ。私の言った“弱いものいじめ”があっさり決まった。昨年を一文字で表すなら、墨で書けば読点を1つ書くだけの“汚点”を残したね。特定秘密保護法に対しては、皆さん非常に関心があるみたいだが、よほど変なことをやらない限りは善良な市民には関係ない。だけど、軽自動車やバイクの増税は善良な市民がまともに影響を受ける」

 --それに先がけて、4月から消費税が8%に引き上げられる。影響は

 「多少の駆け込み需要と反動があると思っている。3、4月の売り上げを合計して前年を上回る努力をしたい。生産や設備投資、販売計画は慎重にやらざるを得ない。4月からの新年度は売上高3兆円の大台を超えたいという目標を持っているが、現実は極めて厳しい。6月までを見ないと、今年の太陽が燦然(さんぜん)と輝くかどうかわからない」

 --地元静岡県に目を移すと、製造品出荷額が落ちている。今年は回復するか

 「今までは輸送用機器が静岡県経済の牽引(けんいん)役を担っていたが、東部では医療、中部では航空機産業が出てきている。そういう主役交代が行われて、成長を続けるだろうと思うし、そう願いたい」

 --主力工場の相良工場(静岡県牧之原市)の近くには浜岡原発がある。再稼働問題をどう考えるか

 「福島県の状況を見て、原発政策を推し進めるべきだって言う人は誰もいないだろう。かといって、原発利用を止めると日本経済が成り立たない。国政がどういう形で福島の事故を収拾させるかにまず注目せざるを得ない。浜岡原発から10.5キロの距離の相良工場では、軽自動車以外の自動車のエンジンと車体を生産できるように配置し、湖西工場では軽自動車のエンジンと車体を生産できるようにした。だからたとえ浜岡で事故があっても、うちの売り上げの半分は確保できる。こういうことしか原発リスクに対する手はないんじゃないか」

 --静岡県の行政への注文は

 「今まで通り、明るく文化的にお進めになればいいんじゃないか。ただ、経済政策、製造品出荷額がリーマン・ショック前から回復し切れていないという点は、やはり、県知事というか県全体の行政がアイデアを絞って民間にアドバイスをしていただきたい。民間も県と相談しながら、総力戦でやるしかない」

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