--構造改革の進展状況は
「事業や商品の構成を変えてきて、成果が数字として表れてきている。為替も(円安で)いい。プリンターはビジネス領域を広げてきたが、台数で全体の20%以上になってきた。インクも伸びている。新興国向けでは大型タンクのモデルが増えている。プロジェクターはこれまでオフィスや教室で使うものがメーンだったが、(広い場所に設置する)高輝度の製品が増えてきた。単価も上がっている。市場環境は欧州、中国、アジアもよくないが、米国だけはプリンターもプロジェクターもいい」
--国内は4月に消費税増税が予定されている
「多少消費が落ちることは想定しておかないといけない。ただ、景気変動に一喜一憂するステージから違うところにいこうと、構造改革をやってきた。その進捗(しんちょく)がうまくいけば対応できるはずだ」
--ロボットなど産業機器を新たな成長の柱に位置付けている
「ロボット関係は中国を中心に非常に伸びてきたし、(自律的に判断しながら作業を行える)自律型双腕ロボットなどの開発も進んでいる。センサーも建物の耐震システムに試験的に入り始めた。今まで消費者向けばかりつくっていた社員がビジネス向けや産業機器を手がけているので、多少のトラブルはあるが、しっかりした事業基盤を作ろうとやっている」
--来年度は売上高1兆円超の可能性が高まっている
「今の為替レートでいけば、1兆円ぐらいはいけると思う。ただ数字を目指して、それを達成するより、事業の形をしっかりと作り上げていくことが大事だと思っている。それができれば自然と収益構造はよくなる。為替の追い風がなくても、成果がでてくる形になってきていると思う」
--円安が進んでいるうえ、政府も減税などで国内の設備投資を後押ししている
「減税があるから国内に投資するということはない。ただ、必然性のあるものは国内で投資する。今年度もインクジェットプリンターのヘッド部分を生産するため、国内で投資した。研究開発をして競争力を決定するようなコアになるデバイスは、国内で生産するということになる。ただ、最終組み立てに近いものは、国内でやるといっても人を集められないし、これからもないだろう」(田村龍彦)
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【プロフィル】碓井稔
うすい・みのる 東大工卒。1979年信州精器(現セイコーエプソン)入社。2002年取締役。07年常務。08年6月から現職。長野県出身。