--2013年度が最終年度の中期経営計画への評価は
「売り上げは目標に届かないが、収益は達成する。早期復配と安定配当が継続できる経営基盤作りを目指してきたが、13年度に復配できることで80点は取れた。『やるしかない』という危機感をトップから従業員まで共有し、一人一人が自分の立場で真面目に取り組んできた成果だ」
--16年度までの次期中計が14年度から始まる
「利益を計上できる健康体になったので、栄養を付けて次の成長、つまり安定した収益のもとで安定配当を目指す。この中計は積極的に攻めに転じて成長を目指すもので、14年度はその初年度として、攻めの姿勢にモードチェンジする大事な年になる」
--社員にどう呼びかけている
「(次期中計を策定した)昨秋以降は『マーケティング&イノベーション』を強い思いで繰り返し話している。顧客ニーズの変化をマーケティングにより的確にとらえ商品開発にいかす。こうして成長ではなく、イノベーションを起こす。グローバル展開しているATM(現金自動預払機)事業は、ロシアやインドネシアなど現地ニーズを仕様に盛り込むことで売れている」
--生産現場に対しては
「工場は収益をつくるところなので、日々の努力を積み重ねることがイノベーションにつながる。生産改革・改善活動成果発表会を11年から始めたが、マインドが変わり内容が良くなった。1日1センチ伸びても1年たてば365センチ。今すぐには3メートルを飛ぶことはできないが、時間がたてば飛べる。つまりイノベーションが起きる。発表者は最後に『改良に終わりなし』というようになった。中国やタイの工場もそうだ。これが次期中計の成長の原点になる。大きな絵を描いてほしい」
--日本でのものづくりについては
「大量生産が中国なら、日本は少量多品種・高性能・地産地消により確実に顧客を手に入れる。そうなると工場も元気になり、地域経済も活性化する。また商品企画から設計も日本の役割だ」
--安倍晋三政権の「アベノミクス」は
「3本の矢のうち、金融政策、財政出動は国の施策だが、第3の矢の成長戦略はわれわれ企業がやるべきことだ。マーケティング&イノベーションで創意工夫し好循環を作らなければいけない」(松岡健夫)
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【プロフィル】川崎秀一
かわさき・ひでいち 早稲田大法卒。1970年沖電気工業(OKI)入社。2001年執行役員、常務、副社長などを経て09年6月から現職。東京都出身。