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【午年に翔ける】出光興産社長・月岡隆さん(62)

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【午年に翔ける】出光興産社長・月岡隆さん(62)

更新

 ■カナダとの事業、早急に詳細詰め

 --国内のガソリン需要が減る中、海外事業に力を入れている

 「カナダからの液化石油ガス(LPG)輸入を当初計画の2016年から1年前倒しして、15年に実現させたい。出荷基地を自社で新設するか、既存設備を活用するかといった問題を詰めている。カナダはメーンの顧客の米国が『シェール革命』で資源輸出国に転換しようとしているのが死活問題で、アジアへのアクセスを模索している。液化天然ガス(LNG)についても17年からの輸入を目指す。液化設備の建設方法など課題はあるが、14年度中に詳細を決めたい。カナダのエネルギーをアジア、日本に結びつけるのは社会貢献として意義が深い」

 --ベトナムでは、三井化学などと協力したニソン製油所の建設が進む

 「3月末までに国内の製油所は3カ所にまで減らすが、その技術を成長する新興国に伝承し、発展に貢献するとともに、若い社員の活躍の場を広げるきっかけとなる。パートナーにはクウェート国際石油も加わっている。産油国とともに事業を行い、つながりを保つのはエネルギーセキュリティーの面でも重要だ」

 --今後の電力事業の拡大は

 「3月から、兵庫県姫路市の製油所跡地を活用した1万キロワット級の太陽光発電が運転を開始する。高知県でも木質バイオマス燃料発電事業へ投資しているが、再生可能エネルギーはコストの課題がある。当社のメーンは、大分県で20年近く九州電力と共同運営する地熱発電の滝上発電所だ。出力、収益の両面で安定している。火山列島という日本の特性を活用するため、北海道、秋田県では地熱発電のための試掘調査を行っている。息の長いプロジェクトだが、日本の将来に必ず役立つものだと確信している」

 --東燃ゼネラル石油が三井石油を買収するなど業界再編の動きが止まらない

 「創業者・出光佐三は『自分に薄く、人のために尽くすことが、民主主義の本質』という言葉を残した。こうした企業理念が軸となっている企業であることは変わりはない。大切なのは、どういうことで社会に貢献できるか。効率的になるのであれば、他社とのアライアンスは積極的に行いたいが、単に資本の論理で株価が上がるという理由で他社とくっついて、出光の能力が発揮できるかどうかは疑問だ」(宇野貴文)

                   ◇

【プロフィル】月岡隆

 つきおか・たかし 慶大法卒。1975年出光興産入社。執行役員、常務執行役員、取締役、常務取締役などを経て、2012年副社長。13年6月から社長。東京都出身。

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