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【午年に翔ける】タイコエレクトロニクスジャパン社長・江部秀さん(61)
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タイコエレクトロニクスジャパン社長・江部秀さん ■部品のモジュール化で単価確保
--2013年を振り返って
「年初来の円安傾向で輸出製造業の決算は好調だが、為替差益による要因が大きく、国内の需要自体はまだその効果が出ているという実感はない」
--14年9月期の業績見通しは
「自動車の世界的な増産を背景に、13年9月期の減収から今期はプラスに転じるとみている。特にハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)向けでコネクター需要が見込める。電子部品件数はガソリン車に比べHVの方が30%多く、業績には追い風だ。国内の大手家電メーカーも生産回復の兆しが見られ、新たな製品開発の動きも出ている」
--20年の東京五輪開催を踏まえた動きか
「そうだ。これまでも世界的なスポーツイベントの開催を機に、大型のテレビや録画機器などが売れた。家電以外でも20年を一つの目標として企業戦略を考えているところが多く、日本経済全体にとってもプラスの方向に向かうのではないか」
--そのためにはどんな手を打っているのか
「13年5月に静岡県掛川市に新工場を稼働させた。海外メーカーが台頭するなかで、日本での開発ならびに生産プロセスが確立しないと海外勢にやられる。日本が生きていくには開発や技術で世界をリードし続けなければいけない。主力取引先の一つ、トヨタ自動車は国内生産300万台の維持を明言している。そうしたメーカーに追随する方向で考えている」
--部品の小型化が至上命題だ
「数十年前から小型化ニーズが進むと考え、さまざまな対策を取ってきた。単なるコネクターの小型化だけでなく、組み込みがしやすいように複数の部品を組み合わせるモジュール化に取り組むことで、高機能化を図っている。これにより部品の単価も確保している」
--鉄道や航空宇宙の分野にも自動車で培ったノウハウが生かせそうだ
「転用できると思う。親会社の米タイコエレクトロニクスは航空機にもコネクターを納入している。航空機は品質の精度が厳格で、非常に高いレベルが求められる。実は東海道新幹線のATS(自動列車停止装置)にもコネクターを納入している。日本では売上高に占める鉄道比率は数%だが、海外では2桁の国もあり、期待できる分野だ」(松村信仁)
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【プロフィル】江部秀
えべ・しゅう 日大卒。1977年日本エー・エム・ピー(現タイコエレクトロニクスジャパン)入社。自動車本部本部長などを経て、2009年から現職。米タイコエレクトロニクス上級副社長兼務。東京都出身。