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【午年に翔ける】三菱地所社長・杉山博孝さん(64)
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三菱地所社長・杉山博孝さん ■五輪へ向け東京の魅力を世界発信
--景気動向をどうみる
「昨夏以降は当社が管轄する東京・丸の内エリアで、既存ビルの新規募集の賃料を10~20%上げている。訪日外国人は円安効果もあって増え、当社系列のホテルを含め、東京の主なホテルの稼働率は軒並み90%以上だ。商業施設も好調で、株高による資産効果で高額マンションの売れ行きもいい。少なくとも住宅業界において、消費税増税はそう大きな影響にはならない感じがしている」
--東京五輪までにどのような東京にすべきか
「東京は便利で清潔、安全といった強みがあまり理解されていないので、魅力を世界に伝えていかなければいけない。外国企業がオフィスを設ける際、香港や上海、シンガポールに比べ法人税が高いとの課題もあるが、税金を同じにしないと勝てないわけではない。ただインフラの再構築は必要。外国人に過ごしやすさを提供するための英語表記や、成田空港からのアクセス時間の短縮、羽田空港の国際線発着枠の増便なども検討課題だ」
--規制緩和も必要と
「ハード面もさることながら、ソフト面での規制緩和が必要で、三井不動産、森ビルと共同で東京を国家戦略特区とするよう提案した。職住接近の外国人が日本で暮らしやすいように外国の医師免許を持つ人が日本で診療できるようにするとか、国際バカロレアを取得できる学校を増やすとか、工夫の余地はまだある」
--東京の大手町、丸の内、有楽町周辺の「大丸有」は
「まず丸の内をグローバル化しようと、日本に進出していない海外企業や、世界展開を目指す日本の中小・ベンチャー企業などの事業開発支援・誘致を促す『成長戦略センタープロジェクト』を昨年から始めた。大手町の再開発では温泉施設をつくり、災害時には災害活動要員などに使っていただく。外国人向けのサービスアパートメントも導入する。有楽町方面では東京商工会議所と東京会館の再開発が本格化する。常に街は生きて動いており、街づくりに終わりはない」
--他の事業展開は
「国内事業はアウトレットのほか都心型と郊外型の商業施設を展開しており、伸ばせる余地がある。海外事業はこの3年間で900億円を投資しており、街づくりのノウハウを提供するなどして実を結ばせたい。海外投資家からの問い合わせも増えた。日本の不動産市場は割安感を持たれており、関心は極めて高い」(藤沢志穂子)
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【プロフィル】杉山博孝
すぎやま・ひろたか 一橋大経卒。1974年三菱地所入社、2004年執行役員、07年常務、10年専務、11年4月から現職。東京都出身。