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【午年に翔ける】セブン&アイ・ホールディングス会長 鈴木敏文さん(81)

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【午年に翔ける】セブン&アイ・ホールディングス会長 鈴木敏文さん(81)

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セブン&アイ・ホールディングス会長・鈴木敏文さん  ■低価格競争に陥らず新しい価値訴求

 --消費環境をどうみる

 「明るさが出てきたことは事実だ。しかし、あらゆる物が売れているかというとそうではないので、消費全体が底上げされたとはいえない。デフレも完全に脱却したわけではない。今年4月には消費税が増税され一時的に消費が落ち込むが、低価格競争に陥ってはいけない」

 --消費税増税の影響は

 「消費税が3%上がっても、これまで購入していた商品を買えなくなるケースはそう多くはないだろう。懸念するのは増税による心理的な影響だ。より価格の低い商品を求める客層と、割高でも質の高い商品を求める客層の二重構造になるのではないか」

 --増税後の商品戦略は

 「物質的に充足した消費者は新しい商品を求めるようになっており、昨年と同じ商品を提案しても売れない。プライベートブランド(PB、自主企画)商品の食パンは割高だが、味にこだわる消費者に選ばれた。メーカー品も新しい切り口の商品は取り入れるが、従来と変わらなければPBで新しい価値を訴求していく」

 --カタログ通販大手のニッセンホールディングスなど企業買収や提携が相次いだ

 「(インターネットと実店舗を融合する)オムニチャネル化を進める過程で、ネット通販のシステムを持っているニッセンと一緒に取り組んだ方がよいと判断した。ネット通販が発展すれば実店舗で買い物をする客が減ると考えられていたが、実際に商品を確認したいと考える消費者の気持ちは変わらず、実店舗を持つ強みを生かすことができる。オムニチャネルを進めるために適当なパートナーがいれば、今後も手を組む考えだ」

 --総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂のてこ入れは

 「GMSはヨーカ堂に限らず不調だ。問屋やメーカーから商品を大量に仕入れて調達コストを引き下げ、低価格で販売するという構造から脱却できていない。SPA(製造小売り)によって差別化をした商品の売れ行きは好調なので、時間はかかるがSPA化を進めていく」

 --コンビニエンスストアのセブン-イレブンは世界全体で10兆円の売り上げが見えてきた

 「海外は新しい地域への出店も検討するが、既存地域での密度を高めることが必要。国内は新規出店と店舗の売上高増の両輪で成長させる」(松岡朋枝)

                   ◇

【プロフィル】鈴木敏文

 すずき・としふみ 中央大経済卒。東京出版販売(現トーハン)を経て1963年イトーヨーカ堂入社。セブン-イレブン・ジャパン社長、イトーヨーカ堂社長などを経て2005年9月から現職。長野県出身。

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