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【高まる空気汚染の脅威】ブルーエアの挑戦(4-3)
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ブルーエア社CEOのベント・リトリ氏。「世界で一番優れた空気清浄機を作りたい」と同社を設立した。“世界基準ナンバーワン”へのこだわりを前面に立てて、日本市場に挑む ■ハイスピード清浄など高性能で勝負
◆汚れたら交換
当然のことだが、部屋の空気は時間とともに汚れていく。人が吐き出す二酸化炭素(CO2)やせき・くしゃみの飛沫(ひまつ)、外気の侵入などにより、目では確認できない汚れの粒子が部屋中にあふれていく。
空気清浄機に求められる大きな役割は空気の清浄だが、そこでは汚れをしっかり丁寧に取るのはもちろん、“速く取る”ことも重要なポイント。常にキレイな空気を望むのであれば、空気が汚れるよりも速く清浄にしてくれるスピード感も、見過ごせないポイントである。
日本電機工業会規格の一般的な国内メーカー製品は、実は30分に1回清浄するよう設計されている。これに対してAHAM規格の「ブルーエア」は、39畳の広さの部屋でも、わずか12分で清浄を完了。つまり1時間に5回も清浄する設計。一般的な空気清浄機の2.5倍速のスピードで99.97%の清浄を実現していることになるのだ=注1、2。
空気清浄機の中には、定期的な手入れをすれば10年間フィルター交換が不要とうたっている製品もある。エアコンや換気扇を見ても分かるように、フィルターが汚れると性能は著しく低下する。「ブルーエア」では、フィルターは“汚れたら交換”がユーザーにとって簡単であるとの考えから、「6カ月に一度の交換」を勧めている。
衛生微生物研究センターが、一般住宅のリビングで行った「ブルーエア」の実験では、1カ月を経過したフィルターから、細菌44万個、酵母7万個、カビ21万個が検出された(菌類の補足数は実測データに基づく同社推定値)。日常的な手入れとなると、忙しさに追われてついおっくうになりがちだが、交換してしまえば手入れは不要ということになる。面倒な手間が要らないのも、消費者が注目するポイントの一つだ。
◆米大使館が数千台を購入
昨年11月、中国の米国大使館が行った発表が話題を呼んだ。中国に駐在する企業や公的機関の社員向けに、自宅用空気清浄機を数千台まとめ買いしたというのだ。その製品が「ブルーエア」だった。
同大使館の受注を受けたスウェーデンのブルーエア本社によると、中国からの発注が一番多いとコメント。同社インターナショナル・セールス・マネジャーのヨナス・ホルスト氏も、「非常に重要な注文となった。これまでにない大きな数字です」とコメントした。
中国の大気汚染は、中国北部でスモッグが発生し大気中の微粒子物質があるレベルに達すると、北京の一部地域では世界保健機関(WHO)が設定している許容濃度の40倍にもなるという。中国で外国人を雇用する企業では、救済ボーナスを出したり、休暇を増やしたりするところもあり、企業運営に大気汚染問題が痛い足かせとなっている。米国国務省は駐在員の自宅の空気の質を調査し、なおかつ専門家チームを中国に派遣。結論として、寝室やリビングなど頻繁に使用する居住空間に、空気清浄機を設置する必要があるとして、今回の大量購入に至ったというわけだ。
さて、消費者にとって気になる価格だが、空気清浄機市場は2009年から定価4万円以上の高級機の売り上げが伸びている。その牽引(けんいん)役となっているのが「ブルーエア」だ。性能のいい高級機は、それだけ顧客満足度も高く、口コミで評判が伝わっていく。
1家に1台から1部屋に1台へと買い増し受容も目立ち、高額でも性能の良さで製品を選ぶ、消費者の目線にも変化が出てきている。大気汚染問題が深刻化すればするほど、人々の目は空気環境に向けられる。空気清浄機市場からますます目が離せなくなる。
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注1=Camfil社の実証データによるもので、実際の効果は部屋の状況や使用方法により異なる
注2=ブルーエアが採用しているAHAM規格「推奨フロア面積」と、日本電機工業会規格「適用床面積」が同じ場合の比較