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【“おいしさと健康”に挑む】グリコ 健康科学研究所(4-3)
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自社ブランド化粧品「gg」とスポーツ飲料「CCDドリンク」、ヨウ素不織布を使ったマスク「快適オフィスAMYCELマスク」。新素材研究から多くの商品が生まれている ■スポーツ飲料、化粧品…多分野に応用
デンタルガム「ポスカ」のほかにも、健康科学研究所からはこれまでに、さまざまな機能性新材料が生まれている。世界で初めて開発に成功した環状構造をもつ高分子デキストリン(糖質)「クラスターデキストリン」もその一つで、トウモロコシ由来のでんぷんを、ブランチングエンザイムという独自開発した新酵素で加工した。同デキストリンは、従来のデキストリンに比べ分子量が大きく、しかも分子量の分布が狭いため、一つ一つの構造にバラツキが少なく均質な構造のものがそろうという特性をもち、水溶性と溶液安定性に富んでいる。
◆持久力向上に効果
この特性を活用して商品化されたのがスポーツドリンク「CCDドリンク」だ。CCDドリンクは、体液よりも低い浸透圧に設定されていることで、胃から腸への排出速度が上がり、素早く腸に達することからスポーツ時のパフォーマンスを高めることができる。
ヒトとマウスによる水泳実験では、ともに遊泳時間が伸びたという結果が得られており、持久力向上に効果があることが実証されている。
クラスターデキストリンは原料としても外部販売されており、エネルギー吸収が良いことから病院の検査食にも用いられている。また、食材を粉末化するときの基材として、吸湿防止や風味向上目的でも利用されているほか、味質改善の特性を生かした食品の酸味や苦みの抑制など、さまざまな用途で活用されている。2008年からは米国でも食品素材として販売が可能になり、新素材販売の売り上げを押し上げる原動力となっている。
新素材の応用分野は、食品関連だけにとどまらない。自社ブランド化粧品「gg」の誕生は、グリコーゲンの研究を続ける中で、「グリコーゲンには保湿効果もあるのではないか」という、新たな発想がそのきっかけ。純度や形状、サイズにバラツキがあったグリコーゲンを、植物由来原料から独自開発した新酵素を使って工業的に生合成し、高純度・均質形状・ナノサイズという「EPAグリコーゲン」をつくり出した。EPAグリコーゲンは、角質内の奥まで浸透することが確認されており、これによって乾燥した肌に潤いを与える。「gg」には、ヒアルロン酸やセラミドなど、12種類のスキンケア成分も配合している。
◆40カ国以上に供給
一方、化粧品原料として外部販売している「α-アルブチン」は、独自酵素を使ってグルコースとハイドロキノンをα結合させた配糖体をもとにしたもので、シミ・ソバカス対策や美白化粧品になくてはならない隠れた主役として高い評価を受けている。現在、世界40カ国以上に供給している。
このほかにも、オーミケンシ、関東天然瓦斯開発と共同で、ヨウ素不織布を使ったヨードマスク「快適オフィスAMYCELマスク」も商品化した。オーミケンシとは酸素合成アミロースを含有させて安定的にヨウ素を保持できる繊維「アミセル」を開発。アミセルをもとに、関東天然瓦斯開発のヨウ素を包接化する技術を活用した。
α-アルブチンと快適オフィスAMYCELマスクは、想定外から生まれた新領域ビジネス。短絡的・近視眼的な利益追求とは一線を画し、研究者の着眼やひらめきなどを大切にした独創的な研究だからこそ、広く応用できるものや真に役立つものを生み出すことが可能になる。それは、健康科学研究所の研究領域の広さと深さを物語っている。