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【“おいしさと健康”に挑む】グリコ 健康科学研究所(4-1)
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健康科学研究所が入る第三研究棟(大阪市西淀川区)と研究員。“おいしさと健康”という企業理念のもと「糖質」と「酵素技術を用いた新素材」の研究に力を入れている ■オンリーワンの新素材開発し顧客に貢献
“おいしさと健康”を企業理念に掲げるグリコグループ。創業以来、エネルギー代謝に欠かせない「グリコーゲン」を起点に、社名にもその一部を冠するほどに強いこだわりをもって「糖」の研究を続けてきた。その拠点となっているのが「健康科学研究所」。グリコグループのものづくり基盤となる基礎研究を主体に、身体の健康だけでなく、心の健康にもつながる商品、ほかにない付加価値のある商品を絶えず開発し世に送り出している。
◆食品の三大要素重点に研究
「The Best Science for the Only One(ザ・ベスト・サイエンス・フォー・ジ・オンリーワン)」。同研究所のミッションだ。オンリーワン新素材の開発で既存事業分野への開発シーズ提供と新規事業分野進出を後押しする重要な役割を担っており、現在、約40人の研究員が糖質工学をコアコンピタンスにした新素材開発と健康科学の研究に従事している。
設立は2007年1月。食品の有効成分や適正な栄養摂取についての研究を進めることで顧客の健康づくりに貢献することを目的に、それまでの中央研究所を改組して発足した。09年には生物化学研究所と統合して体制を強化した。食品を構成する三大要素「糖質」「タンパク質」「脂質」についての研究に重点を置き、食品の味や人の生理機能に対して大きな影響を与える糖質や酵素技術を用いた新素材開発に注力している。研究員は、85%のやらなければならない仕事をこなしながら、残りの15%で常に取り組んでみたい研究テーマをもっている。この15%の中にこそ、次のビジネスシーンにつながるシーズがある。それが、同研究所の強みでもある。
これまでに生み出された新素材は、持久力増強効果のある「クラスターデキストリン」や初期虫歯を健康的な状態に戻すことを助ける「リン酸化オリゴ糖カルシウム」、メラニン生成を抑制する効果をもつ「α-アルブチン」、タンパク質の活性回復作用を補助する「シクロアミロース」など。特に、リン酸化オリゴ糖カルシウムを活用した特定保健用食品のデンタルガム「POs-Ca(ポスカ)」は、歯の再石灰化を促し丈夫な歯を保つだけでなく再結晶化も実現。コンビニエンスストアやドラッグストアに加え、現在では日本歯科医師会推奨商品として歯科医院でも販売している。
◆国内外の大学と積極連携
また、新素材の実用化に際しては、商品化後の効能効果の検証や機能強化も行い、常に進化し続けている。新素材は自社商品への活用にとどまらず、国内外の食品、化粧品、医薬品メーカーなどにも供給しており、さまざまな領域で使用されている。新素材の外部販売額は、2010年度から13年度(見込み)までの4年間で1.8倍に増加、同研究所の存在意義をさらに際立たせている。産学連携にも積極的で、京都大学や東京医科歯科大学のほかにも、かつてはイギリスのエディンバラ大学など海外の大学とも基礎研究を実施した。大学以外では、理化学研究所が保有する世界最大の放射光施設「SPring-8」でポスカの効果検証に大きな成果を得た。
産学連携は今後もさまざまな分野で強化していく方針だが、同研究所としては糖質研究に経営資源を集中して、健康に関する原理原則を追究する基礎研究はもとより、顧客に貢献する新素材の開発をさらに充実し、“健康を科学する”世界一の研究機関を目指す。