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【現場の風】技を積み上げ至高のビール追求

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【現場の風】技を積み上げ至高のビール追求

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キリンビール・黒杭隆政・滋賀工場醸造エネルギー担当部長  □キリンビール 滋賀工場醸造エネルギー担当部長・黒杭隆政さん(45)

 --製法を刷新したビール「一番搾り」が伸びている

 「麦芽100%に改良した2009年以来の刷新だ。香りの華やかなフローラルホップの割合を多くし、大麦の仕込みも工夫してうま味を際立たせた。ビール造りは、一度搾った麦にお湯をかけてエキスを使い切るのが常識。それを行わない『一番搾り製法』は原料費はかさむが、留学したドイツでも『キリンだけの技』と評判だった」

 --ビールの本場、ドイツで学んだことは

 「原料のポテンシャルを超えるビールは造れない、ということだ。ドイツで『ブラウマイスター』の資格を得るためには、原料選びから水の管理、容器詰めなど全ての工程を把握できなければならない。当社もそうした考え方に沿って、各工場に『醸造エネルギー担当部長』という役職を置いている」

 --高級ビール「一番搾りプレミアム」が6月発売だ

 「中身を最終調整中だが、キリン独自の技術を使い、プレミアムの名に値するビールと自負している。まず麦汁を濾過(ろか)する際の温度を低くし、うま味をふんだんに引き出すようにした。玉露の茶をいれるのと同じ考え方だ。ホップは、かんきつ系の香りが特徴の秋田産『カイコガネ』を選んだ。通常は麦汁を煮沸する際にホップを加えて香り付けをするが、『プレミアム』では、その後に麦汁を発酵させる際もホップを漬け込む『ディープホップ製法』を採用した。通常の製法よりも多く手間がかかり、専用ラインを設けた滋賀工場で生産を担当する」

 --各社が高級ビールに注力し、消費者の関心も高い

 「業界が活性化し、やりがいを感じている。ビールは素材がシンプルなだけに、それを生かし切ることが“こだわりの第一歩”だ。『一番搾り』の誕生から25年間、先輩たちが磨いてきた一つ一つの技をさらに積み上げることで、至高のビールを追求したい」

                   ◇

【プロフィル】黒杭隆政

 くろくい・たかまさ 九州大院修了。1994年キリンビール入社。栃木工場で「麒麟淡麗〈生〉」の生産開始などに携わる。2003~05年に独ベルリン工科大ビール醸造研究所に留学し「ブラウマイスター」の資格を取得。技術開発部などを経て10年4月から現職。福岡市出身。

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