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【ビジネスのつぼ】日本コカ・コーラ「ジョージア ヨーロピアン」
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「ジョージアヨーロピアン」の刷新を担当した島岡芳和グループマネジャー ■専門店とタッグ、缶コーヒーに革命
日本コカ・コーラが、缶コーヒーの主力ブランド「ジョージア ヨーロピアン」に大幅なリニューアルを加え、4月7日に発売する。通年販売商品としては初めて外部とタッグを組み、東京・恵比寿のコーヒー専門店「猿田彦珈琲」が監修。原料豆、焙煎、抽出など製造工程のすべてを見直し、雑味のないコーヒー豆本来の豊かな味わいを引き出した。レギュラーコーヒーにもひけを取らない“革命的な缶コーヒー”としてユーザー層の拡大を目指す。
◆「第3の波」 は味わい追究
3月20日、東京・六本木のスタジオで開かれた発表会。出席した報道関係者の多くが、新しい「ヨーロピアン」の注がれたコーヒーカップに口を付けて目を丸くした。
「缶に入っていなければ、レギュラーコーヒーと間違えるほどの仕上がり。それを実感してもらえた」。会場の反応に、2年越しでリニューアルに取り組んだ日本コカ・コーラの島岡芳和グループマネジャーはガッツポーズした。
コーヒー業界では、1960年代に始まった大量消費の時代が「第1の波」と呼ばれる。「第2の波」は、80~90年代にスターバックスなどのチェーン店が浸透させた、深煎りコーヒーにミルクなどを加えて飲むスタイルの流行だ。
さらに近年は、豆の生産農場や1杯ずつ手作業で入れるハンドドリップにこだわり、味わいを深く追究する「第3の波」が広がりつつある。
本格志向が高まる一方、缶コーヒー市場は伸び悩みが続く。飲料各社は、トクホ(特定保健用食品)コーヒーなどの新機軸によって需要を掘り起こそうと懸命だ。
これに対し「ヨーロピアン」の刷新では、「第3の波に対応してクオリティを高め、缶コーヒーのイメージ自体を一新させる」(島岡さん)ことを目指した。コーヒーファンの支持が高い「猿田彦珈琲」店主の大塚朝之氏に協力を求めたのも「大量生産の対極にある個人店のこだわりに学び、従来できなかったことに挑むため」(島岡さん)だ。
大塚氏は「コーヒー好きに納得してもらえる『心地よさ』を目指し、むちゃな要望を開発陣にたくさん伝えた」と振り返る。
最大のテーマは、缶コーヒーにありがちな「イガイガ」した味を取り除いて、店で提供している透き通るようなクリアさを再現することだった。そのために開発陣が取り組んだ製法の改良点は、大きく分けて3つある。
まずグレードの高いコーヒー豆だけを選んで粉砕した上で、抽出する前に雑味の原因となる微粉を取り除く。やや浅煎りにすることで、豆の個性を引き出す工夫も加えた。
また抽出するお湯は90度弱と、従来より低い温度に抑えた。「高温だと香りのキックが強くなり、低温だと丸く薄くなる。そのバランスを何度も微調整した」(大塚氏)という。
さらに、抽出液も全量は使わない。雑味が出やすい最後の一定量を惜しみなく捨てることにした。いずれの工夫も、従来の缶コーヒー作りの常識を度外視した取り組みだ。
◆全世代をターゲットに
試作と評価を100回以上繰り返し、完成にこぎ着けたのは昨年末。大塚氏は「正直に言って缶コーヒーには偏見もあったが、革命的においしいと思える品ができた」と、太鼓判を押す。
満を持して発売するのは、ほどよい苦みと豊かな香り、なめらかな口当たりが特長の「香るブラック」と、華やかな風味と複雑なうまみ、後残りしない甘さが特徴の「コクの微糖」、しっかりしたコーヒーの味わいが楽しめる砂糖・ミルクのバランスが良い「熟練ブレンド」の3種類。
2002年の発売以来となる大きな刷新を印象付けるため、王室の紋章をイメージした従来のロゴも変更した。缶の中央には「一滴に懸ける思いを象徴するドリッパー」を大きく描いた。
「ヨーロピアン」は従来、欧州で好まれる深煎りコーヒーを志向し、「味にこだわる40代」を主要ターゲットに想定していた。しかし、リニューアル後は「将来の中核となるユーザーを育てる狙いで、コーヒー飲用者全体に届くメッセージを発信していきたい」(島岡氏)という。日本コカ・コーラの旗艦ブランドである「ジョージア」のファン層拡大につなげられるかどうか、今後の販売戦略も注目される。(山沢義徳)