--消費税増税前の駆け込み需要の反動で、戸建て住宅は受注減が続いている
「受注減は想定しており、事前にいろんな対策を講じてはいたが、現実は厳しいというのが実感だ。これがいつ回復に転じるのか、予測は難しい。世の中では増税後の個人消費などの落ち込みは一時的との見方が多いが、住宅関連では影響が割と大きく出ているのが実情だ」
--その一方、相続税対策で賃貸住宅が伸びている
「来年1月の相続税の対象拡大を控えて賃貸住宅を建てる顧客が増えており、税制変更が追い風になっているのは確かだ。賃貸住宅は今期、収益増を見込んでいる。ただ、人々の住宅への考え方が変化する中、いろいろな住まい方に適した賃貸住宅を提供することが大切だ」
--地価の先高観から用地取得は難しくなっている
「マンション事業でも用地の仕入れコストが上がっており、労務費や資材価格の上昇も重なって収益的に厳しい。工夫をしながら妥当な価格で用地を取得し、収益物件に仕上げる。2016年3月期までの3カ年で不動産開発に4000億円を投じる計画だが、上振れの可能性もある」
--新興国を中心とした海外展開は
「従来は中国が主体だったが、昨年に子会社化したゼネコンのフジタとの連携を強化し、東南アジア諸国連合(ASEAN)や豪州、米国などにも分散して投資を進める。16年3月期に海外売上高は1000億円以上(14年3月期は811億円)を目指すが、達成可能とみている」
--消費税の軽減税率は住宅にも導入すべきか
「欧米では食料品などと並び、住宅の消費税軽減は一般的だ。住宅は裾野が広く、住宅が落ち込めば自動車や家電、家具などにも波及しかねない。軽減税率が導入されるのなら、業界としては住宅取得に関する恒久的で公平な負担軽減措置として、適用を要望している」
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【プロフィル】大野直竹
おおの・なおたけ 慶大法卒。1971年大和ハウス工業入社。取締役、常務、専務、副社長を経て2011年4月から現職。愛知県出身。