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りそなは銀行再編の「台風の目」!? 公的資金完済へ 高まる経営自由度
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地方を中心とした再編が取り沙汰される銀行界で、りそなホールディングス(HD)の動向が注目されている。実質国有化された「りそなショック」から約11年。りそなは7月、国が議決権を持つ株式をすべて買い取り、一段と経営の自由度を高めた。「スーパー・リージョナル・バンク」と呼ばれる地方銀行を含めた再編構想が政府内に浮上し、その旗頭になるとの観測もある。りそなは何を目指すのか。
「M&A(企業の合併・買収)で先行する米国でも、規模の拡大を優先させた再編は、まずうまくいっていない。統合を経て互いにコア(中核ビジネス)を強化できるかが前提だ」
りそなHDが預金保険機構から1960億円の優先株買い取りを決定した先月月末の臨時取締役会。会議の終了後、東和浩社長は社外取締役とこう話し、米国の金融再編の歴史に触れながら、自身の念頭にある再編戦略を示唆した。
社内の会議や打ち合わせでも、東社長が米国の金融史をひもときながら経営を語るのは珍しくない。
スーパー・リージョナル・バンク構想は、米国の「広域地方銀行連合」がモデル。米国ではかつて、州ごとに銀行の事業展開が制限されていたが、規制が緩和されるとM&Aで大型化した“勝ち組”銀行が相次ぎ登場した。構想はそんな再編を日本で再現することを狙う。人口減少で縮小が避けられない国内市場で、地域金融機関は収益力低下が懸念される。数々のM&Aに彩られた米国の経験に、国内の銀行経営者が注目するのも無理もない。
そんな東社長の目に手本として映る米銀がある。ウェルズ・ファーゴ。サンフランシスコの一地銀から出発し、M&Aを通じて今は米銀トップの利益を稼ぎ出すまでに成長した。
1998年のトラベラーズとの大型統合を果たしたシティが、リーマン・ショック後に低迷しているのとは対照的に、ひたむきにリテール(個人向け業務)の強みを磨いてきたウェルズ・ファーゴの株価は、金融危機前から倍増の勢いだ。
りそなは「個人と中小企業に重きを置く」(東社長)方針のもと約600店を展開。休日営業拠点の開設をはじめとする取り組みは、スーパーの店頭に窓口を置くなどのリテールに力を入れてきたウェルズ・ファーゴの姿とも重なる。
3兆円を超えていたりそなHDが返済すべき公的資金は、現時点で1280億円を残すのみ。平成30年3月期までに返済する計画だが、「計画を前倒しする体力がある」(アナリスト)とされている。
今後は利益の使い道として、これまで優先させてきた公的資金返済から「投資にシフトしていく」(東社長)構えだ。ただ、投資は店舗強化といったリテールに重点を置く方向で、当面は積極的なM&Aに距離を置くとみられる。それでも金融界では「りそなが再編の“台風の目”になる」との声が絶えない。
「大手行では、信託機能を取り込みたい三井住友銀行や、資産運用で手を組む三井住友信託銀行が、りそなに秋波を送っている」(大手行幹部)とされる。
その三井住友信託銀を傘下に持つ三井住友トラスト・ホールディングスが27日、横浜銀行との業務提携を検討すると発表。「再編へ先手を打った」(地銀幹部)と業界に衝撃が走った。再編のマグマはいつ噴き出してもおかしくない。(塩原永久)