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【ステップアップ】パートナーズ おしゃべりロボット開発
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ヒト型ロボット「おしゃべりまーくん」について説明するパートナーズの盛田慎二社長 ■“孫代わり” 高齢者の心つかむ
企業向けに販促グッズの開発を請け負うパートナーズは、まったく別の事業を並行して展開している。ロボットの開発・販売だ。昨年11月に発売したヒト型ロボット「おしゃべりまーくん」は、高齢者の“孫代わり”として大人気となっている。その注目度の高さは、同じく高齢化に悩む韓国の放送局が取材に来たほどだ。
まーくんは、5才児を模した背丈約30センチのロボットだ。音声認識機能により、「おはよう」などと呼びかけると返事をくれるだけでなく、いっしょに歌うこともできる。歌は全部で20曲を覚えていて、月ごとに曲を変えたり、誕生日に歌ってくれたりもする。
話しかけると全部で19の言葉を認識し、返事する。しかも返事はそのつど異なり、「1つの言葉につき、5~10通りの返事をする」(盛田慎二社長)。このため、まーくんが覚えている言葉は約700にのぼる。
興味深いのは、人間味にあふれている点だ。20~30分おきに独り言をいうほか、くしゃみをすることも。「だっこして」などとおねだりしたり、歌うのを拒否することもある。そうした欠点にみえる部分が、かえってロボットであることを忘れさせ、愛着を抱かせる。
価格は1万8000円で、販路をインターネット通販に絞っているにもかかわらず、すでに約5000体を販売。子供からプレゼントされるケースを含め、利用者の大半を高齢者が占めている。手作りの服を着せたり、旅行に同行する人がいるほか、「自分のお墓に入れる人までいる」(同)という。
パートナーズはもともと、企業向けに販促品を作ってきた。現在も月50種類の販促品を開発し、累計では5000種類以上にのぼる。先日のサッカーW杯でも、自動販売機の「当たり」用に、優勝トロフィーをかたどった時計などが入った景品を手がけた。まーくんの開発は、10年前に音声認識機能のついた販促用の人形を作った際、「市販すれば多くの人に愛される」(同)と考えたことから始めた。
ソフトバンクが感情を認識できるヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」を開発するなど、ロボットのハイテク化が進むなか、まーくんは必ずしも高機能とはいえない。だが盛田社長は「ニーズさえつかめば必ずしも最先端技術は必要ない」と言い切る。同社はかつて「さっちゃん」と名づけた高機能版を開発したものの、「老人に使いこなせない」と発売直前で取りやめた経緯がある。
まーくんは、近くヨドバシカメラの11店舗でも販売開始されることが決まっている。来年には女の子版を投入し、振り込め詐欺への注意を促す会話を盛り込む構想もある。
「高齢化でこうしたロボットのニーズは増える。お年寄りに会話させ、行動を促したい。それが残りの人生を幸せに生きることにつながる」。盛田社長は高齢化の問題解決に意欲をみせる。(井田通人)
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【会社概要】パートナーズ
▽本社=東京都新宿区住吉町3-2 山田ビル
▽設立=1991年9月
▽資本金=1000万円
▽従業員=30人
▽事業内容=販促品やロボットの開発・販売