SankeiBiz for mobile

日本IBMとエプコ、電力小売り事業参入支援 両社の強み融合

ニュースカテゴリ:企業の情報通信

日本IBMとエプコ、電力小売り事業参入支援 両社の強み融合

更新

パッケージ概要  日本IBMと住宅関連サービスを手がけるエプコ(東京都足立区)が共同で、電力小売り事業に参入する事業者を支援するサービスに10月から乗り出す。IBMのIT(情報技術)とエプコが家庭向けに展開してきたエネルギー関連サービスを連携させ、電力コストの低減や二酸化炭素(CO2)排出削減につながる電力小売り事業への新規参入を後押しする。2016年4月には電力小売り自由化が控えており、両社はサービスをパッケージで展開し、エネルギー関連サービスの市場成長を取り込む狙いだ。

 新サービスは「電力小売り事業者向けユーティリティサービス(仮称)」。今年6月に電気事業法改正案が成立されたのを受け、10月から提供を始める。

 ワンストップでサービス

 IBMは、電力使用を最適化する「家庭用エネルギー管理システム(HEMS)」につながった家電やスマートメーター(次世代電力計)のデータを、メーカーに関係なく、統一的に収集・保管するプラットホーム(情報基盤)を提供する。電力の需給管理機能のほか、顧客管理や請求・支払いなどの業務を代行する機能も提供する。

 一方、エプコは得意としている顧客対応ノウハウのほか、スマートフォンやタブレット端末向けアプリケーション「ぴぴパッ!」による節電アドバイスなどのサービスを提供する。

 これらの機能やサービスをワンストップで提供することで、電力小売り事業への参入や関連ビジネスの新規創出を促したい考え。両社は今後、各世帯の家族構成や生活状況に応じて、節電アドバイスや見守りサービスを個別に展開していくことも計画している。

 小型コンビニエンスストアなど電力小売り参入事業者に加え、住宅関連会社、エネルギーサービス会社、自治体などにも売り込む。「16年4月に契約10万件、売上高5億円を目指している」(エプコ)という。

 これまでHEMS機器は、メーカーによって通信方式が異なり、制御できる機器の対象が制限されてきた。HEMS普及の妨げとなっていたことから、業界で標準化が進められている。

 こうした中、エプコの「ぴぴパッ!」は新しい業界標準に対応。電力の使用状況を把握できるようにするほか、天候によって太陽光発電量を予測したり、節電を助言したりする。昨年3月の提供開始からこれまでに約2000世帯が導入しており、「IBMとの協業をきっかけに一層の普及拡大につなげたい」(同)考えだ。

 関連ビジネスも活気

 一方、IBMの情報基盤は、多くの世帯や企業から集まった電力使用状況のデータの利活用を促す仕組みを持つ。

 両社のシステムを接続することで、より詳細なデータを集めることが可能になり、実態に合ったサービスの提供が期待できるようになるという。

 2000年の規制緩和で契約電力が50キロワット以上の利用者なら地域別の大手電力会社とは別の新電力(特定規模電気事業者)から電力供給を受けられるが、50キロワット以下は電力会社による独占販売が認められてきた。

 しかし16年4月以降は全面自由化される。資源エネルギー庁などによると、電力小売りが自由化されれば、一般家庭を中心に全国で約8400万契約、7.5兆円の市場が開放されることになる。新たな市場をめぐり早くも関連ビジネスが活気づいてきたといえそうだ。(米沢文)

ランキング