--逼迫(ひっぱく)時に消費電力を企業に抑えてもらう「デマンドレスポンス(DR)」の実証事業に取り組んでいる
「これまで日本のエネルギービジネスには、ローカルプレーヤーの存在や法的問題などが障壁となり、なかなか参入できなかった。しかし、東日本大震災をきっかけに、エネルギーをどう供給するかだけではなく、いかに有効活用するかという点も注目されるようになった。日本のDR市場は原子力発電所15基分に相当する1500万キロワット分という試算もあり、東京電力などとともに6月から始めた実証事業がうまくいけば、日本でもDRのビジネスを展開したい」
--実証事業の手応えは
「電力会社から消費電力の抑制について要請があれば、日本法人のオフィス内に設けた指令室からメールや電話で企業に通知する態勢をとっている。自動車部品メーカーや製紙会社など15工場に協力してもらっているが、これまで2万キロワットの電力を削減した。来年2月までに最大5万キロワットの削減を目指す。中小規模の需要家までカバーし、工場全体のエネルギー管理に必要な機器も含めて提案できるのが当社の強みだ」
--企業側のメリットは
「消費電力を削減すれば企業は報奨金がもらえる仕組みとなっている。報奨金は消費の抑制を要請してから何分後、何時間後に対応できるかなど契約内容によって異なってくる。電力コストの削減にもつながり、フランスでは最大15%抑制できたという実績がある」
--再生可能エネルギーや電力自由化への対応は
「工場や商業施設のエネルギーコストを削減するため、屋根を利用した太陽光発電の関連機器を提供する事業を進める。もちろん、新電力が建設する発電所などにも機器を提供していきたい」
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【プロフィル】安村義彦
やすむら・よしひこ 追手門学院大文卒。情報関連などの大型システムを扱うエンタープライズソフトウエア会社を経て産業用タッチパネルなどを製造・販売するデジタル(大阪市)に1992年入社。2011年1月から社長。14年7月からシュナイダーエレクトリック日本統括代表兼務。大阪府出身。