資生堂、魚谷改革で「顧客視点」に転換 新ブランド戦略で事業立て直し
更新「ならでは」に決別
改革の背景にはブランド力の低下がある。創業142年の老舗企業としての「資生堂」の知名度の高さに隠れ、各ブランドの価値は希薄化。社内では「資生堂ならでは」という言葉が使われ、顧客から「資生堂は多くのブランドがあるが、どれが自分に合うのか分からない」と指摘されることもあったという。
その結果、販路として重要性が増すドラッグストアなどで低価格商品にシェアを奪われ、売上高の約5割を占める国内事業は2012年度まで7年連続の減収。13年度は高級品の好調で8年ぶりの増収に転じたが、本格的な回復軌道に乗せるにはブランド力の底上げが不可欠だ。
杉山氏は「『資生堂ならでは』から決別しなければブランドが確立できない」と話す。そのためマキアージュや世界ブランド「SHISEIDO」、スキンケアの「エリクシール」に続き、主力ブランドを刷新し、来年には高齢者向けブランドを立ち上げるなど改革を加速する。
大和証券の広住勝朗シニアアナリストは「店頭からものを考え、ブランド別損益管理を導入するなど方向性は評価できる。今後は収益が悪化したブランドの統廃合などに早期に踏み切れるかが課題だ」と話した。(会田聡)
