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【フジテレビ商品研究所 優品ズームアップ】資生堂「dプログラム」

 女性にとって肌のトラブルは深刻な課題。体調や環境の変化のほか、人によっては、多くの人が問題なく使用している化粧品にも敏感に反応して、肌トラブルを起こしてしまう。資生堂の「dプログラム」は、そんなデリケートな肌向けに安全性とスキンケア効果の両立を追求したブランドとして進化してきた。

 ◆時代とともにリニューアル

 日頃から丁寧なスキンケアに気を配っていても、ちょっとしたきっかけでトラブルを起こす肌に悩む女性は少なくない。本来、化粧品に配合される成分の安全性は十分に確認されているのだが、1970年代に社会的に注目された化粧品アレルギーの問題、その後のピーリングブームに伴う肌トラブルの発生などもあり、自分の肌の敏感さを意識する人は、より安全で刺激の少ない化粧品を求めるようになった。

 最近では、通販市場を中心に、品質を安定させるための添加物などを配合しないいわゆる“無添加”や自然・植物由来の原料を売りにする化粧品ブランドが活況を呈している。

 資生堂では、化粧品アレルギーの問題が大きく取り上げられるようになる前から安全性試験法や低アレルギー性化粧品の研究開発が行われ、71年には、業界初の“敏感肌用”化粧品として「イブニーズ」を発売している。

 香料や着色料など、人によっては肌に合わない可能性のある成分をできるだけ除くという考え方に基づいて、「イブニーズ」は時代とともにリニューアル進化を続けたが、敏感肌意識の増加に伴い、97年に今まで“敏感肌”とひとくくりにしていたデリケート肌を“ニキビ・吹き出物が出やすい”タイプ、“乾燥・肌荒れを起こしやすい”タイプなど、肌タイプで分け、中味対応した「dプログラム」ブランドで新たに商品展開を開始した(「イブニーズ」ブランドの商品は、根強いファンの求めに応じる形で現在も発売を続けている)。

 ◆ライフスタイルの変化に着目

 また、資生堂では、肌や化粧品の処方の研究開発と合わせて、“敏感肌意識”についてもさまざまな調査・研究が行われている。調査結果では、自身の肌を敏感だと感じる人が、この20年で急増している。

 その内訳をみると、アトピー素因やアレルギー肌など“いつも敏感”な人の割合はあまり変わっていないが、環境の変化に反応して“やや/ときどき敏感”になるという人の割合が、急激に増加していることが明らかになった。

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 この変化の背景の一つとして、社会進出が進んで日頃から心身両面で強いストレスにさらされるようになった、女性のライフスタイルの変化が指摘されている。実際に、睡眠不足や食生活の乱れは、肌細胞の成長不良を招き、肌のバリア機能低下につながる。また、ストレスは神経や内分泌系のバランスを損ね、肌の水分保持の低下や過剰な皮脂分泌を引き起こして、やはり肌のバリア機能を低下させると同時に回復力も低下させてしまう。

 ◆バリア機能と天然保湿成分

 さらに、肌荒れのメカニズムに関する研究でも資生堂は新たな知見を見いだした。年齢を重ねるにつれ、肌は外的・内的要因に反応して乾燥しやすくデリケートになり、その要因が取り除かれた後も元に戻りにくく、そのまま“シワができる”“ハリがなくなる”といった年齢を感じさせる変化につながる。

 肌のうるおいを保ってバリア機能を維持する重要な働きをしているのが天然保湿成分「NMF」と呼ばれるものだが、この「NMF」産生の鍵となる酵素「BH」が加齢とともに減少することが原因である。資生堂は世界で初めてNMF産生のメカニズムにおける酵素「BH」の働きと、この酵素の活性化成分を発見した。

 この研究成果は、化粧品科学技術の領域で最も権威が高いといわれるIFCC大会(2010年アルゼンチン)で、最優秀賞を授与されている。

 一連の調査・研究成果は、その都度商品開発の着目点として生かされてきた。08年の「dプログラム」のリニューアル以降は、従来の“除けるものを除く”というレス処方の考え方に加えて、肌タイプ別に肌荒れやニキビなどの肌悩みを積極的に予防するプラス処方にも力を入れるようになった。

 ◆厳選成分でパラベンフリー

 しかし、低刺激設計へのこだわりは一貫して変わらない。高い精製度の厳選成分のみを使用するほか、防腐剤(パラベン)の配合を不要にするため、独自の中味安定処方を採用。さらに資生堂の中でも特に厳しい衛生基準を設けたクリーンルームで製造、容器もディスペンサーやバックレスチューブを採用するなど、デリケートな肌でも使えるように製造段階での工夫もされている。

 現在「dプログラム」は、ベタついてニキビ・吹き出物ができやすい肌向けの「アクネケア プログラム」、肌荒れ・乾燥しがちな肌向けの「モイストケア プログラム」、ベタつきとカサつきが混在する肌向けの「バランスケア プログラム」に年齢サインが気になる肌向けの「エイジングケア プログラム」の4種が中心。今年2月には、デリケートな肌特有の繰り返す肌荒れと肌色悩みに着目し、化粧水を全品リニューアル発売した。

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 ■フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」(東京都江東区、従業員40人)内に設けられた研究機関。「美容科学」「食品料理」「環境科学」「生活科学」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究を行っている。

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