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【ハザードマップ】京都府森と緑の公社、神戸ワイン

ニュースカテゴリ:企業の経営

【ハザードマップ】京都府森と緑の公社、神戸ワイン

更新

 ■三セク、債務超過で行き詰まり

 ▼京都府森と緑の公社 京都府が2013年3月期時点で74.9%を出資する第三セクターで一般社団法人の京都府森と緑の公社(京都市上京区)は6月5日、民事再生法の適用を申請した。負債総額は14年3月期時点で227億8397万円。

 森林の整備や林業に関する事業を展開することを目的に1967年に京都府造林公社として設立され、近年は府内の13市町村の山林所有者と契約を交わし、277事業地・計4652ヘクタールの山林を管理していた。

 2013年3月期の売上高は4億3610万円を確保していたが、伐採収入を得るまでの間は借入金に依存した事業運営を余儀なくされるという構造的な問題があり、同期時点で226億7746万円の借入金を抱え、大きな負担となっていた。さらに木材価格の大幅な下落もあって収益の回復が見込めず、実質的に大幅な債務超過状態に陥っていたことから、事業の継続が困難となった。

 京都府は公社への貸付金を全額放棄し、残りの負債を「第三セクター等改革推進債」を利用して返済する。

 債務金額を確定した上で精算し、12月以降に府への事業譲渡を実行した後、15年3月に解散させる予定だ。

 ▼神戸ワイン 神戸市などが出資する第三セクター、神戸ワイン(神戸市北区)は7月1日、神戸地裁から特別清算手続きの開始決定を受けた。負債総額は約35億円。

 神戸地区の農業活性化などを目的に1984年に設立。「神戸ワイン」や「神戸ビーフ」といった地元ブランドの振興を図るとともに、地元の第一次産業の発展につなげることを狙って、神戸市郊外で市立農業公園と市立のレジャー施設「フルーツ・フラワーパーク」を運営していた。

 97年3月期の売上高は42億2238万円にのぼったが、4億1722万円の赤字を計上するなど採算は悪化。さまざまなイベントの開催などで集客を図ってきたが、消費低迷や顧客ニーズの多様化、競合施設の増加などで2004年3月期以後は売上高が20億円を下回っていた。

 赤字の常態化から債務超過が続く中、07年3月期の期中からはフルーツ・フラワーパークの運営などに特化。10年3月期には14億3737万円だった売上高は13年3月期には16億7800万円にまで回復した。ただ債務超過の解消までには至らず、同期末には債務超過額が30億1000万円にまで膨らんだ。

 14年3月末でフルーツ・フラワーパークの指定管理業務が終了となり、6月の神戸市議会で債権放棄などが可決され、6月26日付で解散した。(東京商工リサーチ)

                   ◇

【会社概要】京都府森と緑の公社(6月上旬現在)

 ▽本社=京都市上京区

 ▽設立=1967年9月

 ▽出資金=1334万円

 ▽事業内容=森林整備・育林

 ▽負債総額=227億8397万円

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【会社概要】神戸ワイン(7月上旬現在)

 ▽本社=神戸市北区

 ▽設立=1984年10月

 ▽資本金=14億円

 ▽事業内容=レジャー施設「フルーツ・フラワーパーク」の運営

 ▽負債総額=約35億円

                  ◇

 〈チェックポイント〉

 京都府森と緑の公社は、府が7割以上を出資する第三セクターで、育林に取り組んできた。しかし借入金への依存度が高すぎ、経営組織としての体をなしていなかった。民事再生法を申請したものの、結局は三セク債を使って京都府が尻拭いをし精算後に解散する。当初の事業計画が甘すぎたのではないか。

 神戸ワインは神戸市の第三セクターで、農業公園やレジャー施設を運営していた。

 しかし、長引く不況に加えてレジャーの多様化も進む中で、消費者から飽きられていた側面もあった。リピート客の取り込みなど業績回復に向けた営業戦略は真剣に検討されていたのだろうか。(東京商工リサーチ取締役情報本部長・友田信男)

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