--ビールを含めて夏物商戦が振るわなかった
「例年よりも気温が上がらず夏商戦は今ひとつで、1~8月のビール類の販売実績は前年同期に対し(1%減の)99%だった。やはり企業としては、わずか1000箱でも前年より増収にして利益を増やさなくてはならない」
--天候に左右されないための対策は
「これまでのビールのビジネスモデルは、7~8月の暑いときに売り上げを伸ばしていくものだ。しかし、これでは季節変動が大きすぎるので、夏に稼ぐというモデルは改め、通年で稼ぐように切り替えていく」
--具体的には
「日本には正月やゴールデンウイーク、最近ではハロウィーンなどさまざまな催事がある。クリスマスならワインや(ワインをベースに果実などをつけ込んだ)サングリアを使った(カクテルの)パンチボールといった提案もできるはずだ。コト、モノ、行為の組み合わせを重視し、酒類は前年を超えていくようにする。ビッグデータを活用し、効果的な提案をできるような取り組みを進めるための専任組織も新設した」
--ギフト向けの戦略は
「今年の歳暮用には紫色の缶を使ったドライプレミアムの派生品種『ドライプレミアム 香りの琥珀(こはく)』を投入する。ドライプレミアムは昨年の歳暮では限定販売だったが、一般販売をしたことから中元商戦では落ち込んだ。やはりギフトには上質感と限定缶が必要だ。香りの琥珀は一般販売はしない」
--国内の消費動向をどうみているのか
「訪日外国人が増えるなど景気回復のトレンドは落ち込んではいない。ただ、上質感を求める層と、節約志向の層がそれぞれ4割程度に増え、逆に消費動向が変わらない中間層が減るなど、構造は変化している」
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【プロフィル】小路明善
こうじ・あきよし 青山学院大法卒。1975年アサヒビール入社。執行役員、アサヒ飲料常務、アサヒビール常務兼常務執行役員を経て、2011年7月から現職。長野県出身。