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富士フイルム、米ワクチン会社買収 感染症向け 世界的事業拡大見込む
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富士フイルムが買収するケイロンのクリーンルーム(富士フイルム提供) 富士フイルムは、世界的な流行懸念が広がるエボラ出血熱など危険性の高い感染症に対応する医薬品事業を強化する。27日には、感染症向けワクチン製造に強みを持つ米ワクチン受託製造会社を買収すると発表。今月20日には、海外でのエボラ出血熱患者への投与拡大に備え、グループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名・ファビピラビル)の追加生産も表明しており、世界的な需要増に応じ事業領域の拡大を急ぐ。
富士フイルムは今回、バイオ医薬品受託製造を手がける米子会社の富士フイルムダイオシンスバイオテクノロジーズを通じ米ケイロン・バイオセラピューティクス(テキサス州)を買収する。買収額は非公表だが、数十億円規模とみられる。
ケイロンがエボラウイルスや炭疽(たんそ)菌などの感染症向けワクチンを安全、安定的に製造できることや最先端設備を評価、買収により世界的な事業拡大が見込めると判断した。
数カ月内にケイロンの全持ち分の49%を取得するとともに、ケイロンの取締役の過半数を富士フイルムグループから送り込む。さらに、持ち分比率を100%まで引き上げていく予定。
バイオ医薬品を受託製造する世界市場は、足元で約2000億~3000億円規模とされるが、今後は年率7%の上昇が見込まれる有望市場。富士フイルムは、今回の買収を含む事業強化により、2018年度には同市場で10%のシェアを確保したい考え。
富士フイルムは、デジタルカメラの普及に伴うフィルム事業の縮小を機に、フィルム製造技術を応用できる事業に進出するなど多角化を進めてきた。医薬品事業もその一環として強化してきた。