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ヴイエムウェア ソフトバンクグループと日本市場に「vCloud Air」サービス投入

ニュースカテゴリ:企業の情報通信

ヴイエムウェア ソフトバンクグループと日本市場に「vCloud Air」サービス投入

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握手を交わすヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO(左)とソフトバンクテレコムの宮内謙代表取締役副社長 《企業のIT部門に新たな柔軟性、即時性、安全性》

 米国に本社を置くヴイエムウェアは、11月5、6日の2日間、都内のホテルでプライベートフォーラム「vForum 2014」を開催した。「NO LIMITS 制約を解き放ち、無限の可能性を」をテーマに、仮想化によるITシステムの自動化や、クラウドに拡張するための最新テクノロジーなどが紹介された。フォーラムに合わせて来日したパット・ゲルシンガーCEOは、ヴイエムウェアがソフトバンクテレコム、ソフトバンク コマース&サービスと10日に日本で提供を開始したハイブリッドクラウドサービス「VMware vCloud Air(vCloud Air)」について発表した。

 企業のITが抱える課題に応える

 基調講演に登壇したゲルシンガー氏は、現在の企業内ITが抱える課題について、組織が縦割り構造になっていて各業務部門の活動が連動を欠く「サイロ化」による制約であると指摘する。

 これは、企業内に構築されているIT基盤と、クラウドによる新たなITサービスとの対立構造を意味する。具体的には、従来の社内サーバで稼働していたアプリケーションに対して、クラウド専用のアプリケーションが台頭し、スマートフォンやタブレットを中心に活用されている。また、これまで企業内のITに関しては、IT部門が中心となっていたが、クラウドにおいては開発者の存在が重要となってくる。さらに、社内のシステムでは、安全性とコンプライアンスの維持を優先しているが、クラウドでは迅速に使える点や柔軟性とセルフサービスなどが注目されている。

 こうした対立構造に対して、ゲルシンガー氏は「ヴイエムウェアによる〝&〟がもたらすパワーによって、企業のIT部門は新しい柔軟性や即時性、そして安全性や選択肢を手に入れられる」と提唱する。

 ヴイエムウェアが提唱 “&”がもたらすパワー

 ヴイエムウェアでは、企業のIT部門が抱える課題を解決するため、これまでに開発してきた数々の仮想化テクノロジーの最新バージョンを発表すると同時に、今回は新たに「vCloud Air」を日本市場に投入した。

 vCloud Airは、パブリッククラウドとプライベートクラウドが違和感なく連携する企業向けのハイブリッドクラウドサービス。仮想ネットワークやセキュリティーコンポーネントを備え、単一の管理ツールを提供することで、仮想マシンの自由な移行やプライベートクラウドとパブリッククラウド間のスムーズなアプリケーション連携を可能にし、真のハイブリッドクラウドを実現する」とゲルシンガー氏は説明する。

 ヴイエムウェアのサーバ仮想化ソフトである「VMware vSphere(vSphere)」を利用しているIT基盤であれば、既存システムの拡張リソースとして「vCloud Air」を活用できる。また、「vCloud Air」で構築した仮想マシンに一切の変更を加えることなく、プライベートクラウドへ戻すこともできる。さらに、国内だけではなくグローバルに展開している「vCloud Air」を導入することで、海外を含めた自社のITリソースを一元的に管理できるようにもなる。

 これまでにも、データやアプリケーションを利用できるパブリッククラウドサービスは、数多く存在してきた。しかし、その多くは独自のサーバ仮想化技術を利用していたので、企業内ITで広く活用されてきたヴイエムウェアの仮想化技術であるvSphereとの完全な互換性はなかった。そのため、自社で運用しているIT基盤をパブリックのクラウドサービスに移そうとすれば、新たなプログラムの開発や改修が必要になる例が多かった。加えて、一度パブリッククラウドで構築したIT基盤は、容易に自社運用に戻すことはできなかった。

 こうした課題から、クラウドサービスの利便性やコストパフォーマンスは理解していても、採用に踏み切る企業のIT部門は限られていた。「vCloud Air」は、そうした課題を解決し、企業のIT基盤に新たな柔軟性や拡張性をもたらすものとなる。その基本的なイメージは、左図のようなものとなる。

 クラウドの互換性の課題を解決

 企業内で自社運用するIT環境から「vCloud Air」に関しては、同じ管理体制、ネットワーク、セキュリティーが適応され、内部から外部に向けた利用だけではなく、その反対の外部から内部に向けた利用も安心だ。

 「日本でも50社以上の企業にベータプログラムに参加していただいた。協力いただいた企業や?担当者からは、『vCloud Air』のパフォーマンスや運用管理のしやすさ、自社運用のIT環境との高い親和性などの評価をいただいている」とゲルシンガー氏は日本での評判について紹介する。

 会場にはベータプログラムに参加した企業のIT担当者のインタビュー映像が流され、「弊社では、外部クラウドへの移行を積極的に推進している。これまでのクラウドだけでは、移行の際にアプリケーションの改修や運用変更が必要だった。数多くのOSに対応し、プライベートクラウド環境とのスムーズな移行が可能な『vCloud Air』の登場に、大きな期待をしている」などのコメントが紹介された。

 サービスを提供するソフトバンクグループ

 「vCloud Air」のサービスは、米国や欧州ではすでに提供を開始しているが、国内ではソフトバンクテレコム、ソフトバンク コマース&サービスと提供を開始?した。基調講演の中盤では、ソフトバンクテレコムの宮内謙代表取締役副社長が登壇し、国内で提供するサービスの概要について説明した。

 「ソフトバンクテレコムは、これまで『VMware  vCloud Datacenter Service』を提供してきた経験と実績を生かし、通信事業者ならではの充実したネットワークと多彩なICTサービスを、ヴイエムウェアのクラウドサービスと効果的に融合させ、顧客の業務効率を高めるビジネス環境の実現をサポートする」と宮内氏は語った。

 また、自社運用のIT環境で構築したシステムと互換性がないパブリッククラウドを利用しようとすると、運用負荷やコストが増大する危険性も指摘する。その危険性を解決するために、『vCloud Air』では、3種類のサービス「仮想プライベートクラウドサービス」「専用クラウドサービス」「災害対策サービス」が提供される。

 「『vCloud Air』のネットワークは、全世界3900社のパートナーによって支えられている。『vCloud Air』はソフトバンクテレコムなどに加えて、ヴイエムウェアの販売代理店やソリューションプロバイダーおよびOEMパートナーからも提供される。『vCloud Air』という将来に向けたハイブリッドクラウドの提供を推進していくとともに、『Software-Defiened Data Center』の利用を促進し、すべてのデバイスとユーザーを安全に接続するIT環境を支えていく」とゲルシンガー氏は講演を締めくくった。

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