■セクシーで俊敏な走りのクーペ開発
--高級車ブランド「レクサス」の新型スポーツクーペ「RC300h/350」が誕生した経緯は
「開発は2011年5月に始まった。クーペタイプの『SC』が10年に生産を終え、エモーショナル(情緒的)な価値を持つ車がなくなっていた。(独メルセデス・ベンツや独BMWなど)競合のプレミアムブランドと比べても早く出してほしいというニーズがあった。レクサスのブランドイメージを変えるのが私のミッションだった」
--なぜ2ドアで荷物も積めないクーペなのか
「マーケティングすると、レクサスは競合より信頼性や安心感は高いが、エモーショナルな部分が弱い。また、若い人にアピールできる車が欲しかった」
--3年半という短期間で開発した
「新型車の開発は通常4~5年。初期段階で複数の車を組み合わせた試作車を作るが、今回はやめた。社内に抵抗もあったが、ある程度デザインができたところで試作車を作り、図面や品質の作り込みに時間をかけた」
--開発で意識したのは
「俊敏な走りとセクシーなデザイン。全く新しい車として開発している。実は、セクシーという言葉はレクサスで初めて使った。セクシーさは後輪を囲むアーチモールの張り出しに表れている。(曲がり具合は)プレス加工に関する社内の基準を60ミリも超えている。型を作り、生産技術の担当もトライしてくれた。価格が1桁上の車ならできるが、この価格帯でここまでの造形を取り入れたものはないと思う」
--走りで意識したのは
「FR(後輪駆動車)の理想に近付けようと取り組んだ。公道では安心してラグジュアリーにゆったり乗ることができ、ワインディングロード(曲がりくねった坂道)では俊敏な走りもできる車に仕上げた」
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【プロフィル】草間栄一
くさま・えいいち 早大理工卒。1983年トヨタ自動車入社。シャシー設計や欧州法人の実験部門などで「スープラ」や「クラウン」「マークX」などの開発に携わった。2012年から現職。主査として初めて「レクサスRC」を担当。茨城県出身。