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「ドコモ光」月間接続料500円に反発 ISP各社、顧客争奪戦など懸念
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NTTドコモの加藤薫社長 NTTドコモが来年2月から提供する予定の光サービス「ドコモ光」に対して、インターネット接続事業者(ISP)などが市場の混乱を招くと警戒を強めている。ドコモがISPに対し、ネット接続料を現行の約半値の月額500円で提供するよう要請しているのに加え、販売報奨金を目当てにした顧客争奪戦が全国規模で繰り広げられる懸念が強いためだ。総務省も事態を重視しており、業界の自主ルール作りを促す方向で検討に入った。
ドコモは、NTT東西地域会社が提供している光サービス「フレッツ光」の卸売りを受け、携帯電話とのセット割引を武器に、フレッツ光の個人利用者を「ドコモ光」に契約変更するよう促す。フレッツ光では別契約だったネット接続料も、ISPから債権譲渡を受けてセット割引に組み込む考えだ。
ドコモは、ニフティやソネットなど大手ISPにネット接続料を現行の約半値の月額500円で提供するよう要請したが、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)は総務省に「ドコモが示す価格では赤字だ」と是正を要請した。
フレッツ光のISP各社は今後、ドコモ光向けサービスに移行せざるを得ないが、このままでは収益悪化が必至。ドコモは15日、都内で中小ISP向け説明会を開くが、反発は避けられない見通し。光回線と携帯電話のセット割引販売は一度契約すると工事の手間やコストがかかるため解約されにくい。そのためISPはKDDIやCATVからの新規契約と、フレッツ光からの転用の両面で顧客囲い込みにしのぎを削ることになる。
国民生活センターなどにはISPの強引な電話勧誘の苦情が多く寄せられているが、ドコモ光の販売が予定通り2月に始まれば混乱を招きかねない。ソフトバンクなどは、過当競争や強引な電話勧誘などを自粛するよう業界でガイドラインを作るべきだと主張しており、総務省は動向を注視している。