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【新春に語る】経団連・榊原定征会長 日本経済、本格的にテイクオフ
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--今年はどういう年にしたいか
「日本経済の課題は、デフレからの脱却で、それが今、正念場にある。政・官・民がそれぞれの立場で、全ての政策を総動員すべきだ。その一環として、日銀は昨年10月末に追加金融緩和を発動し、異例の踏み込んだ政策を取った。経済界は消費税率10%への引き上げを予定通り実施すべきだと申し上げてきたが、安倍晋三首相はあえて再引き上げの延期を決断した。その決断を理解し、重く受け止めようという立場だ。経済界としても、一歩踏み込んで賃上げの実施に全力で努力しようという方向性を出した。2015年はデフレからの脱却を確実に実現する年にしたい」
--そのほかにも、重要な政策課題が山積している
「これまでの政権が手を付けてこなかった重要課題に安倍政権になって取り組もうという姿勢が鮮明になった。この機をとらえ、財政再建や社会保障制度改革、エネルギー政策、地方創生、少子高齢、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの課題にしっかりとした取り組みを進める年でもある」
--14年は中国、韓国との関係改善など経済外交も力を入れた
「経団連はグローバリゼーションを掲げており、民間外交を積極的に推進する。今年4月にインドネシアに経済ミッションを派遣、5月にはブラジルとの日伯経済会議がある。アジアビジネスサミットが東京で開かれるほか、米国に経済ミッションを派遣するなど新しい基軸を打ち出す。それに加え、日中の経済交流や韓国との交流も続けていく。また、米ワシントンに経団連の新事務所をつくり、4月をめどに開所を目指す。北京、ロンドンにも代表を出したい。グローバルな事業拠点の代表が連携し、地域ごとのプレゼンスを高める」
◆今年のキーワードは「翔」
--15年のキーワードは
「14年のキーワードをいうと、清水寺は『税』と書いたが、それは昨年の姿を正確に表していない。一語で言えば『光』ではないかと思う。青色発光ダイオード(LED)の発明で3人の日本の物理学者がノーベル賞に輝いた。この発明によって、世界は変わり人類の繁栄に貢献した。ノーベル賞に最もふさわしく、画期的で、日本人として誇らしい発明だ。また日本経済をみると、デフレ経済が長引き鬱屈感のある時代が続いたが、安倍政権発足以来、いろんなところで光が当たった。経済だけを見ても、一条の光が差しはじめて、それが強くなってきて、だんだん広がってきたという実感がある。一方、15年のキーワードだが、あえて年頭に期待する言葉を探すと、『翔』という字が当てはまる。羊という字に羽と書く。羊はおとなしい平和な動物。私も未年で年男だが、おとなしい(笑)。その羊が羽をいただき、飛び跳ねる、駆け上がるイメージだ。日本経済が本格的にテイクオフする年にしたい」
--経団連の新しいビジョンを8年ぶりに策定し、公表した。新ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」にどんな思いを込めたのか
「15年後の30年を展望し、日本が目指すべき国家像の姿を具体的に描いた。さらに、その実現に向けて政治はこういうことをすべきだ、企業・産業界はこういうことやるんだ、という課題を示し、その中で経団連の果たす役割を明らかにした。このビジョンの特徴は、国民に対しても、姿勢と覚悟を求めていることだ」
◆国家像達成への指針
--新ビジョンをどう実現するのか
「ビジョンの目標は計数化し、できるだけ分かりやすく表現した。国家像を達成するために大きな指針となるはずだ。さまざまな関係箇所に1年かけて訴えかけていきたい。政府や産業界だけでなく、大学などの教育機関にも出向き、若い人たちと議論をしてみたい。このビジョンは、私が全精力を傾けて作り上げた自信作。作っておしまいではなく、実現に向けてPRしていく。日本は今のまま課題を先送りし、現状に安住していたら、明るい未来はない、という現実をさまざまな角度から分析している。この指針を実現していくには、苦しみや痛みを伴うが、それを乗り越えて、明るい未来をともに築いていこうという思いを込めた」
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【ひとこと】「ポリシー&アクション」を掲げ、「行動する政策集団」を目指す。提言を出すだけにとどまらず、課題解決の牽引(けんいん)役を担う覚悟だ。
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【プロフィル】榊原定征
さかきばら・さだゆき 名大院修了。1967年東洋レーヨン(現東レ)。専務、副社長を経て2002年社長。10年6月から会長。経団連は14年6月に会長就任。71歳。愛知県出身。