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【未年に翔ける】IHI社長・斎藤保さん(62)

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【未年に翔ける】IHI社長・斎藤保さん(62)

更新

 ■得意のLNG関連やボイラーに注力

 --航空機エンジンやターボチャージャー(過給機)など各事業が堅調に推移している

 「グローバル市場で受注拡大ができたほか、成長に向けた積極投資やグローバル人材が育ってきた結果が出ている。足元の事業環境は、円安による増収増益効果もあるが、従来苦戦していた社会基盤の海洋分野を含め全セグメントで受注を増やし、利益を計上できている。収益性の核となる選択と集中については一層推進していく」

 --海外展開における戦略は

 「東南アジアでは、得意な液化天然ガス(LNG)関連やボイラーで攻める。特にインドネシアや、ハノイ近郊に大型工場を建設中のベトナムに加え、タイやマレーシアも加えた4国、さらに事務所を新設したミャンマーにも注力していく」

  --燃料自動車普及も視野に水素関連がビジネスチャンスになっている

 「過去にも水素関連の開発は扱っていて、基礎的技術の知見は持っている。いざ、水素社会が来たときには、すぐに対応できる体制にある」

 --グローバル対応のためのM&A(企業の合併・買収)戦略などは

 「褐炭を燃料としたボイラーで強みを持つ独スタインミュラーエンジニアリングの買収などを行ったが、未利用エネルギーの活用メニューを持っている会社を買うことで時間を買うことができる。そうした領域は各事業にあり、案件次第で買収を狙っていく」

 --新規事業領域はどう攻める

 「医薬を含めたライフサイエンス領域が新規ビジネスの核になる。医薬品を作るシステムの提供から、インフルエンザワクチンの製造まで幅広く手がけている。ワクチンの事業は今は国内がメーンだが、販売後、市場に受け入れられれば、海外展開も視野に入れる」

 --2015年度は中期経営計画の最終年度だ

 「計画2年目の今期は、成長を加速する年と位置づけてきた。15年度は、中期経営計画の数字を達成することが必要で、このことが次の計画につながっていく。ハードウエアだけでなく、システムとしての価値を提供して成長を加速したい」(那須慎一)

【プロフィル】斎藤保

 さいとう・たもつ 東大工卒。1975年石川島播磨重工業(現IHI)入社。航空宇宙事業本部事業開発部長などを経て、2008年取締役執行役員航空宇宙事業本部長に就任。副社長を経て12年4月から現職。山形県出身。

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