--足元の事業動向をどうみているか
「円安効果もあって、上期(2014年4~9月期)に最高益になった。為替相場の値動きが激しいが、これに振り回されないようにしたい。造船に関しては、20年前に中国に造船の合弁を作り、液化石油ガス(LPG)船や液化天然ガス(LNG)船など難しい船を造るなど為替影響を受けにくい体制にしており、当面は心配していない。日本ではLNG需要から船が買われており、今後3~4年は操業確保ができるとみている」
--航空輸送関連事業も強化する
「300億円を投資したB(ボーイング)787の新型機用の胴体の新工場が2月に完成する。月産12~14機の製造が可能になる。航空エンジンは西神工場(神戸市)で自動化対応を進め、ペースアップを図る」
--米国などで強みを持つ鉄道車両事業の展開は
「米国やシンガポールなどで多くのシェアが取れているが、今後は、東南アジア諸国連合(ASEAN)市場が期待できる。インドも人口が多く、地下鉄網整備などもあるようなので、しっかり受注に結びつけるほか、ミャンマーなどの新興国も攻めていく」
--産業用ロボットの中国工場が4月に稼働する
「中国の人手不足問題などで日本よりはるかに市場が大きいことから、中国・蘇州の精密機械工場隣接地に新設した。効率化を図るため、ロボットでロボットを作る『ロボットの自動化』を徹底する」
--分散型発電システムの事業は、足元は国内がメーンだが、海外展開は
「当社製品は、30メガワットクラスで、工業団地が賄える程度のものに強みがある。ガスエンジンの発電設備は、発電効率が49.9%と世界一だ。今後は、新興国やロシアといった国土が広く、分散型が適合するようなところにも売り込んでいく」
--2015年度は売上高1兆6000億円とする目標を持つ中期経営計画の最終年度となる
「当初、伸びると見込んでいた中国での精密機械事業が苦戦しており、この分で収益は減るが、航空機事業が堅調になっている。残りの事業も引き続き頑張ってくれれば、目標は達成できる」(那須慎一)
むらやま・しげる 京大航空工学科修士課程修了。1974年川崎重工業入社。航空宇宙カンパニー技術本部ヘリコプタ設計部長などを歴任し、2005年執行役員航空宇宙カンパニーバイスプレジデント(次期大型機プロジェクト担当)。常務航空宇宙カンパニープレジデントを経て、13年6月から現職。大阪府出身。