--足元では、カラー複合機事業などが堅調に推移している
「機器単体売りではなく、IT(情報技術)サービスなどに加え、新商材やプロジェクションシステムなどを顧客に総合的に提供し、差別化できている。先進国では、大型高速印刷機のプロダクション機で間もなく新機種を投入する。エリアでみると新興国は堅調で、インドでも大型受注をした。今後は、中近東やアフリカを伸ばしたいと思っており、マーケティング拠点の強化を準備中だ」
--複合機市場は中長期的に縮小するとの見方もある
「判断は難しいところだ。足元で、プリントボリュームは減っていないが、5年先、10年先、と考えると、右肩上がりになるとはみていない。こうなると、さらなるシェア拡大が求められる。また、新商材などとの組み合わせビジネスの提供などを強化することが重要だ。複合機など基盤事業で大きく稼ぎ、新規事業への投資も進める」
--大型高速印刷機のプロダクションプリンティングのビジネス展開は
「当初は社内印刷などに需要があったが、商業印刷に需要が出てきた。ただ、大量に同じものを印刷するのではなく、多品種少量印刷のニーズだ。今春にも新商品を投入し、ラインアップを強化する。今後はコンサルティングなども含め、顧客のイメージを具現化できる仕組みも作りたい」
--新規参入を決めた3Dプリンター事業など新領域の拡充は
「光学技術や通信技術を使ったヘルスケア分野の開拓や、農業などの領域も検討していく。また、スマートシティーの領域で、最初からデベロッパーと一緒になってまちづくりを進めるといった取り組みも視野に入れたい」
--中期経営計画では、2017年3月期に売り上げ2兆5000億円を目標に掲げる
「販売、サービス、製造を含めた全社員一人一人が中長期的な視野で変革できるかが重要だ。主力事業を伸ばすことに加えて、新規事業などを着実に育てていくことを並行して進めていく」
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【プロフィル】三浦善司
みうら・ぜんじ 上智大大学院経済学研究科修了。1976年リコー入社。2000年執行役員経理本部長。常務、専務、副社長、ペンタックスリコーイメージング会長などを経て、13年4月から現職。青森県出身。