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【本気の仕事講座】(39)作文指導通じ子供たちの人間力向上

ニュースカテゴリ:企業の経営

【本気の仕事講座】(39)作文指導通じ子供たちの人間力向上

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文章を書くことの楽しさを伝える笹田紀子さん  慶大文学部卒。大成建設秘書室勤務、結婚後、展示会業務に携わる。「数々の作文コンクールで受賞を重ねていた長女。『どんな教え方をしているの?』と周りの方々から聞かれ、『うちの子も教えてくれないかしら…』と頼まれたのが、作文レッスンの始まりでした」。今回の主人公は笹田紀子氏。文章を書くことの楽しさを伝え、自信につなげる作文指導をしている。「笹田紀子作文レッスン」は海外在住の生徒まで広がる。

 内に秘めた言葉を引っ張り出し、表現することで考えを整理するように努める。小中学生の作文から、大学受験小論文、大学院ステートメント、就活ES、またお受験対策の面接、願書指導まで広範囲に及ぶ。一人一人と向き合い、個性を生かした作品を作り上げる手伝いができる喜び、自信を得て前に一歩踏み出す過程を伴走することが好きでたまらない。

 すっと打ち解けてくる子供もいれば、なかなか本心をのぞかせてくれない子供もいる。それぞれのケースにあった指導が必要だが、まずは「共感」することを大事にしている。粘り強く丁寧に見守る。「過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる」。他責にすることなく、自分の考え方を柔軟に保ち、前向きに進んでいこうと「自責」を貫く姿勢を強く感じる。

 初期のころ、より良い作品へとの願いから力を入れ過ぎていた。何度も書き直し、構成の変更などを求めたことで、生徒に過度な負担をかけてしまった。生徒の内面、成長の度合いを把握した指導の大切さに気づき、今はそのように心がけている。

 祖母の死を通して、在宅ホスピスを取り上げた中学生をレッスンした。まだ、在宅ホスピスが浸透していない時代。1年がかりで資料を調べ、参考文献を読み、闘病中の詳細な記録、思い出となるエピソードも絡めた。原稿用紙30枚近い大作は文部科学大臣賞受賞。この経験はその後の彼女の芯となり、弱者を助ける法曹の道へつながった。指導者のみが突っ走るのでなく、生徒の能力・やる気を引き出すことを大切にしている。

 文章を書くということは、考えを整理し、感情を主観から客観へとつなげていくことだ。読み手を意識して書くこと、分かってもらうためにはどう伝えたらよいかを考えることは、単に国語力だけでなく人間力の向上にもなる。文章力アップだけでなく、人間としての力を磨くということを目標にしている。昨年指導した作品は、読売新聞社主催作文コンクールにて読売新聞社賞を受賞した。

 「人間に与えられた素晴らしい贈り物、それは共感する力を持っていること」とは女優、メリル・ストリープの言葉。笹田氏の「共感脳」は、作文を媒介に人間関係の機微を理解する補助線として輝く。

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【プロフィル】柴田明彦

 しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。亥年、乙女座、AB型。慶大法卒。83年電通入社、新聞局業務推進部長などを歴任し、2006年退社。一般社団法人「NS人財創造機構」を設立し、大学講義や講演会、研修を行う。14年に設立した「多様性工房」で、広報・宣伝や販売コンサルティングも手がける。著書は「ビジネスで活かす電通鬼十則」(朝日新書)ほか。

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