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【未年に翔ける】コニカミノルタ社長・山名昌衛さん(60)

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【未年に翔ける】コニカミノルタ社長・山名昌衛さん(60)

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コニカミノルタ社長山名昌衛さん  ■ICT活用推進 付加価値提案に注力

 --足元の状況をどうみる

 「2016年度を最終年度とする中期経営計画の初年度で、社内では可能な限りさまざまな経営施策のスピードを上げている状況だ。当社の勝ち筋は私なりに明示しており、実行力をどう上げるかに注力している。また、トップダウンに加え、社員一人一人が顧客に価値を認めてもらい、それにより自社の競争力をつけるため、共通の価値基準を定めた。ボトムアップの提案が横展開にもつながる実例が出るなど進化しており、手応えを感じている」

 --機器とIT(情報技術)ソリューションとの組み合わせはどう進んでいるか

 「最新のICT(情報通信技術)をわれわれのハードやソフトウエアに上手に組み込み、顧客利便性やサービス向上、コストダウンにつなげるということに大きくかじを切っている。情報機器を中心に、海外に強い直販網を持っている強みを生かし、顧客の業種業態などをみながら、いかに付加価値型提案につなげるかに注力している。きめ細かいサービスメニューをそろえ、提案していく」

 --今後のM&A(企業の合併・買収)戦略は

 「業種業態に強く、コンサルティングもでき、ICTにも知見のある人材を持つ企業は、当社がサービス事業を展開していく上で欠かせない。こうした企業は、国内外問わず(M&Aの)対象になる」

 --新規事業の開発拠点「ビジネスイノベーションセンター」の進捗(しんちょく)は

 「英、米、シンガポールに加え、東京、上海も稼働した。各分野で得意分野を持つベンチャーを探してアライアンスを組むといったことも積極的に行い、新規事業開発をスピードアップさせる。あと半年もすれば、具体的な事業開発案件が市場に出せるだろう」

 --15年度は中期経営計画2年目となる

 「プロダクションプリンティング分野では、デジタル印刷や商業印刷の世界から産業印刷の領域へ拡大していく。計測機器や、光などの分析装置の領域も今後が期待でき、強化していく。光学コンポーネンツの領域で、ブルーレイに強いピックアップレンズの技術を持っており、今後は、デジタル家電用以外の産業用領域で光学技術の付加価値を高める事業開発を行う」

                   ◇

【プロフィル】山名昌衛

 やまな・しょうえい 早大商卒。1977年ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)入社。経営企画や海外部門などを経て2003年コニカミノルタホールディングス(現コニカミノルタ)常務執行役。取締役専務執行役情報機器事業管掌を経て14年4月から現職。兵庫県出身。

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