--2014年9月中間決算で、利益が落ち込んだ
「11年の東日本大震災前後に首都圏で受注した大型工事で、設計変更や仕様決定の遅れが発生し、これを取り戻すための突貫費用も生じたことで、工事費が大幅に膨らんだ。デフレ下で工事を受注し、その後インフレ基調に転じており、判断に甘さがあったと言わざるを得ない。手持ち工事の採算悪化は甘受するしかないが、そうした低採算案件の消化はかなり進んでいる。来期以降は巡航速度での決算に戻るだろう」
--都心再開発や20年の東京五輪などで、建設需要が高まっている。施工能力と受注のバランスをどうとるか
「公共投資の水準は高い。五輪までは旺盛な需要が続くだろう。短期的には受注環境の改善を追い風に量的拡大を目指すこともあるが、まずは利益重視の経営方針を徹底し、現場の生産性向上にも取り組む。機械化・合理化も充実し、受注増に対応する技術革新も進めなければならない。ただし、国内は中長期的には人口減もあり、受注が再び減少に転じるだろう」
--リニア中央新幹線の工事が着工した
「リニアの工事はトンネル、駅舎などバラエティーに富み、『十種競技』のようなものだが、特に長い山岳トンネルや大深度地下のシールド工事で当社の技術力を生かしたい。当社の技術者たちもみんな燃えている。単年度当たりの収益は決して大きくないが、日本の土木技術向上にもつながる」
--6月で就任から丸10年になる。バトンタッチするタイミングは
「後継者は会社をしっかりかじ取りできる人が適任だと思うが、今は業績向上に専任したい。後任者の問題は常に考えているが、この業績で(経営を)投げ出すわけにいかない」
--海外事業の展開について
「今や海外は『親孝行』事業だ。特に東南アジアの統括会社『カジマ・オーバーシーズ・アジア』、米国の統括会社『カジマ・ユー・エス・エー』は受注・売上高とも1000億円を超えており、国内の1支店よりはるかに利益への貢献度が大きい。今後も東南アジアや米国などを中心に、有望な案件、有望な事業があればどんどん攻めていく」
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【プロフィル】中村満義
なかむら・みつよし 慶大法卒。1965年鹿島入社。営業本部営業部長、広報室長などを経て96年取締役。常務、専務を経て、2005年から現職。東京都出身。