SankeiBiz for mobile

自動車8社、ベア6000円で共闘 富士重、ダイハツも方針固める 平成27年春闘

記事詳細

自動車8社、ベア6000円で共闘 富士重、ダイハツも方針固める 平成27年春闘

更新

 自動車大手8社の労働組合が平成27年春闘で、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として月額6千円の要求で足並みをそろえる公算が大きくなった。22日までに富士重工業やダイハツ工業の労組が6千円要求の方針を固めたほか、他の労組も最終調整している。昨年の妥結額を大幅に上回る要求だが、各社が同一水準の要求を行うことで経営側にベア実施を強く働きかける狙いがある。

 6千円の要求額は自動車総連など上部団体の方針を踏襲したもの。また、円安効果や北米など海外市場の販売増による各社の業績好調に加え、消費税増税後の物価上昇なども考慮した。

 トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、マツダ、三菱自動車といった登録車に、スズキなど軽自動車メーカーも同調し、8社労組が水準をそろえる見通し。

 26年春闘では、自動車総連がベアの統一要求について基本給の「1%以上」と表現するに留め、具体的な金額の提示を見送った。各労組が実態に合わせた要求額を設定することで確実に賃金改善を勝ち取る狙いがあったが、妥結額は3500円で満額回答した日産から800円のダイハツ、スズキまで格差が開いた。

 自動車大手の労組幹部は「個別労組の交渉力には限界がある。足並みをそろえて共闘しなければ、経営側に強く出られない」と解説する。今春闘ではベア6千円を「自動車産業労働者の総意」として突きつけることで、交渉を優位に運びたい考えだ。

 ただ、給与水準を一律に底上げするベアは業績に中長期的な影響を与えるため、経営側は「短期的な業績向上には賞与で応える」(富士重の吉永泰之社長)と慎重な意見も強い。今回実現すれば2年連続のベアになるだけに、経営側の強い反発も予想される。

ランキング