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シャープなど労組の対応焦点 足並みの乱れ懸念
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電機連合が中央委員会で正式決定する2015年春闘の方針を受け、日立製作所など電機大手各社の労組は、月6000円のベアに相当する賃金改善の要求を決める。一方、15年3月期の連結業績予想で最終赤字に転落する見込みのシャープなど昨年、統一闘争を離脱した企業の労組の対応が焦点。足並みの乱れが懸念される。
統一闘争を特徴とする電機連合の傘下労組は、横並びのベア要求を行う見通し。ただ、企業の業績悪化で、同じ水準の要求ができない労組は統一闘争を離脱し、個別に交渉することになる。昨年はシャープとパイオニアが離脱した。
電機大手の業績は08年のリーマン・ショックや薄型テレビの苦戦で大きく落ち込んだが、ここ数年は回復傾向にある。電機連合がまとめた大手12社の15年3月期業績見通しでは、営業利益の合計で20.6%増(前年は18.3%増)、最終損益は10.2%増(同8.2%増)と、業績改善が進んでいる。
しかし、「暗雲が立ちこめてきた」(電機連合の有野正治中央執行委員長)。急速な円安で、海外で生産した冷蔵庫などの国内販売の採算が悪化したシャープは「業績予想の修正を検討中」としており、2月3日に発表される14年4~12月期連結決算の内容が注目されている。
業績悪化に伴い統一闘争を離脱し、ベアを勝ち取れなくなると、給与水準が他社と比べて低くなり、社員のモチベーションや人材確保に影響するという悪循環が懸念される。