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自動車【２０１５春闘】トヨタ・日産、ベア昨年超えへ 業績好調 経済好循環に配慮
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トヨタ自動車、日産自動車などの自動車メーカーが２０１５年春闘で、ベースアップ（ベア）に相当する賃金改善を昨年以上の水準で実施する見通しとなったことが１２日、分かった。消費税増税に伴う物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状況を考慮するとともに、好調な業績を踏まえ、賃上げにより「経済の好循環」を生み出したい安倍晋三政権の要望に応える構えだ。
自動車各社の労働組合は１８日に春闘要求を一斉提出し、労使交渉が本格化する。ベアをめぐっては、１３日に正式決定するトヨタをはじめ大手８社の労組が月額６０００円の要求で足並みをそろえる方針。日産が３５００円の要求に満額、トヨタは４０００円の要求に２７００円で妥結した１４年春闘に比べ２倍前後の高水準となる。
一方、経営側でも「足元の経済環境を考えれば昨年を上回るのが妥当」（日産幹部）との指摘がある。日銀は１４年度の消費者物価指数（生鮮食品を除く）の上昇率が消費税増税の影響で２．９％になると予想する。１３年度（０．８％）と比べ大幅に拡大するため、ベアが昨年と同水準にとどまっては個人消費の回復につながらない恐れがある。
また、自動車各社は安倍政権の経済政策「アベノミクス」による円安の恩恵で海外事業の採算が改善し、１５年３月期決算は最高益が相次ぐ見込み。利益還元を求める圧力は高まっており、「経済の好循環を実現したい気持ちは政府と共有している」（トヨタの佐々木卓夫常務役員）と前向きな姿勢を示さざるを得ない状況だ。