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【2015春闘】電機7社、ベア6千円要求 シャープは統一闘争離脱 業界内で温度差
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電機メーカーの各労働組合が19日、2015年春闘の要求書を経営側に提出し、主要労組の要求が出そろった。各社とも、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分で6000円を求める。ベア要求は昨年に続き2年連続となる。ただ、15年3月期の連結最終損益が赤字に転落する見通しのシャープの労組は、同日の要求書提出を見送り、加盟する電機連合の「統一闘争」からは事実上離脱するなど、同一業界内で温度差が広がっている。
日立や東芝などの労組は電機連合の方針に沿って、6000円のベアをそれぞれ要求。昨年は統一闘争から離脱したパイオニアも、要求書を提出した。一時金についても、今期に過去最高の営業利益を見込む日立(5.9カ月)や、三菱電機(6.14カ月)などで、前年実績を上回る要求が相次いだ。
今春闘で、大きな争点になるのはベアの実施だ。「ベア実施は一つの選択肢ではあるが、固定費として効いてくる。業績や厳しさの増すグローバル競争などを踏まえて、本年は本年として議論していく」
同日、労組から要求書を受け取った日立製作所の中畑英信執行役常務がこう語るように、2年連続となるベア実施については各社経営幹部は慎重な姿勢をみせる。
ただ、インフラ関連事業が好調なだけに、政府との関係を悪化させたくないとの思惑もあり、最終的にはデフレ脱却に協力するため、前年以上のベア実施に踏み切るとの見方は強い。
一方、国内最大の単一労組「日本郵政グループ労働組合」(JP労組、組合員約24万人)は19日、東京都内で中央委員会を開き、15年春闘でベアに当たる賃金改善分として組合員平均で月約6000円を要求する方針を表明した。月給の2%に相当する。ベア要求は2年連続。年間一時金は組合員の意欲向上のため昨年と同じ要求水準の4.3カ月を求める。小俣利通委員長は「(15年度半ば以降の)株式上場によるグループの成長は、組合員の協力がないと不可能」と訴えた。
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〔賃金改善(ベア)/年間一時金〕
日立製作所 6000円(2000円)/5.9カ月(5.62カ月)
パナソニック 6000円(2000円)/業績連動
東芝 6000円(2000円)/業績連動
三菱電機 6000円(2000円)/6.14カ月(5.74カ月)
富士通 6000円(2000円)/業績連動
NEC 6000円(2000円)/業績連動
パイオニア 6000円(2000円)/4.0カ月(2.5カ月)
※( )内は14年春闘の妥結額